エターナル・ライン ~狐人と少女の物語~

作者 骨董書店

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★★★ Excellent!!!

王道の世界観で繰り広げられるシリアスなファンタジー活劇。しかし本作がちょっと斬新なのは、ネット小説の定番である「現代日本からファンタジー異世界への転移」をヒロインのキャラ設定に関してのみ用いているという点だ。
いわゆる異世界物は、転生なり転移なりで異世界にやってきた現代人を語り手に据え、異世界と現実世界の異同を炙り出していく作風をとる。しかし本作は大胆にもその立場を逆転させ、異世界側の住人が繰り広げる日常や非日常の中に、現代日本(らしきところ)の少女がお客さんとして迎えられるという構造になっている。少女はただ、主人公側からみた異世界からの来訪者というキャラ付けだけを与えられて、お客さんとして物語に巻き込まれていく。二つの世界の異同は物語の本筋にはならず、あくまでファンタジー世界で起きる事件や陰謀が話の主軸であるというところが、これまでにない着想で面白い。
ファンタジー世界の成り立ちは主人公らにとっては常識だが、読者にとっては未知の異世界である。そこで、この常識をどう読者の前に提示していくかが問題となるが、本作の作者は、巧みな筆力とバランス感覚によって、過度な辞書的説明に頼らずこの世界のあらましを読者に明かすことに成功している。エピソードを読み進めるたびに世界の姿が明らかになっていく作劇展開は、あくまでファンタジー世界の住人の視点で描かれる物語のはずなのに、まるで自分が転移した女の子になって物語を追体験しているかのような不思議で素敵な感覚を読者にもたらしてくれる。
まだ冒険は半ばであるが、今後の展開を楽しみに待ちたい一作だ。

★★★ Excellent!!!

一気に全話読みました。

この手のジャンルは、世界観の説明にやたらと長い文章を使うことがよくありますが、本作ではストーリーが進むに連れて、適度に挿入される形式なので、とても分かり易くイメージしやすかったです。

主人公とヒロインがどうなっていくのか、とても楽しみな作品ですね。

★★ Very Good!!

異世界ものに食傷している方も多い昨今ですが、それは恐らく、舞台となる世界観に対する疑問が消化されないからだと思います。
伏線をちりばめながら、この世界はこのような歴史を持っている。だからこの現状があるのだと、読者に『理解』させてくれます。
また、想像の余地も十分残しておいてくれていますので、今後、センリの運命がどのように集約していくのか、考えて楽しむこともできます。
是非、ご一読されてみてください。

3/16 第十話まで読了。 おいげん

★★★ Excellent!!!

ファンタジーというものが
「ここではないどこか、いまではないいつか」へ
読み手を連れていってくれる物語のことを指すならば
この小説は一話目からわたしをその世界へと導いてくれた。

登場人物たちの温かさに愛情を感じた。
提示される世界の謎に惹きつけられた。
すべてがどう収束するのか見届けたい気持ちにさせてくれた。
「この作品を読みすすめていきたい」と思うには充分な
動機をわたしのなかに植えつけてくれた。