第16話それから
それにぼくは予言することなどできない。まったくそれはたいしたことではないのだ。つまりチリアクタ、自分の命などというものは、そのようなものとさほど変わらないのである。ぼくが消え去ったとして、世界は何の変化も起き得ない。それだけが漠然と立ちふさがっているだけだ。ぼくはつまり芸術家であるべきだろう。もしそうであれば、ぼくは少しはこの世に貢献できる。それはわかっている。といって、どこに芸術家の生きる道があるだろうか。芸術家では、こんなコウフクな世の中であってさえも食ってはいけないのだ。ぼくが作家として認められて、仕事が増えたとしても、芸術家ではおれない。小説はいくつも書けたとしても、小説は書けない。
関西弁を憎む子 穴田丘呼 @paranoia
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