09.主人公、メーカーや公社に協力し、他の探索者たちを助けること。

 十二階層で出現頻度が高いエネミーに、シサツジカというエネミーがいた。

 シサツジカのシサツとはすなわち刺殺、つまり探索者を見つけるとその複雑に先端が枝分かれした、大きくて鋭利な角で突き刺そうとしてくるシカ型のエネミーである。

 この階層にはもっと低い階層で出没する他のエネミーもそれなりの確率で出没するのだが、こちらに関してはすでに成行の敵ではなくなっていた。

 これまでに出現したことがあるエネミーに関しては、成行がすでになんらかの弱体化スキルをおぼえていることもあり、一部の遠距離攻撃さえ警戒しておけば、だいたいは鎧袖一触で済む。

 このシサツジカは体が大きくて動きが素早いだけではなく、すぐに多くの仲間が寄って来るという特徴があった。

 一撃か二撃程度で仕留めないと、すぐに大勢のシサツジカに取り囲まれ、身動きが取れなくなる。

 成行の場合は〈憤怒の防壁〉というスキルを持っているので、取り囲まれたらすぐに詰み、というわけではない。

 ないのだが、それにしてもいろいろな意味でやりにくいエネミーではある。

 このシサツジカと遭遇するようになって、これまでに溜めていた短剣の損耗率が一気にあがった。

 鎖と併用して〈憤怒の防壁〉の効果の範囲外に居る個体に対して遠距離攻撃をするために短剣を使用するわけだが、体の大きなシサツジカに対して短剣を投げつけても決定的なダメージとはならないことが多く、一個体に何本か使用してどうにか弱らせ、別の手段でとどめを刺すことが多かい。

 鎖を使う場合は、シサツジカの角に鎖を絡ませた上で〈憤怒の防壁〉の効果範囲内に引き寄せて焼き殺す、という方法になる。

 この方法も、シサツジカと成行とでは体重も力もシサツジカの方が上であったので、一体一体と綱引きをして弱らせてから自分の方に引きずり込む。

 こんな方法であるから、当然時間もかかり、シサツジカを倒す速度よりもシサツジカが増える速度の方が断然早い。

 結果、その場に居るシサツジカすべてを倒しきる前に成行の方が体力切れになり、投げつけて使用した短剣やせっかくドロップしたアイテムなどを回収することもなくその場から逃げ帰ることが多かった。

 シサツジカを倒した分、成行自身の性能もそれなりにあがっているはずなのでまるっきりの無駄働きというわけでもないのだが、ドロップ・アイテムを持ち帰れなければ金銭的には赤字である。

 効果的な遠距離攻撃用のスキルを持たない成行にとって、このシサツジカはかなり相性が悪いエネミーであるといえた。


 そんな停滞期に、盾についての打診をメーカーから受けたわけだった。

「どうせ盾を作るのなら」

 と、成行は駄目もとでメーカーの技師にいくつかの注文をつけてみる。

「……変わったこと機能をご所望ですね」

 成行の注文を聞くと、その技師は微妙な表情になった。

「帰って改めて調べてみないことには断言はできませんが、技術的には、そういう使用法も可能ではあると思います」

「オプション機能の分については実費を支払いますので、よろしくご検討ください」

 成行はそういって頭をさげる。

 なにしろ成行はソロである。

 ソロにはソロなりの方法論というものが、必要となるのだった。


 数日後には、成行が提示したコンセプト通りの盾がダース単位で搬入されてきた。

 その盾をすべてフクロの中に収納してから、成行は迷宮十二階層へと移動する。

 十二階層をしばらく歩いていくと、例によって三体のシサツジカが現れた。

 その姿を発見するやいなや、成行は猛然とダッシュし、同時にフクロに収容していた盾を手の中に出現させて、〈憤怒の障壁〉のスキルで高熱を身にまとう。

 できあがった盾は、耐久性をあげた関係でかなり大きく、分厚く、重い。

 そして、そうして前方に構えていると、正面方向の視界が塞がれる形となる。

 盾に、なにか大きく重い物体がぶつかる手応えがあった。

「まずは一体!」

 いいながら、成行はフクロから出した鎖を左手に巻きつけ、その鎖を左側にいた。

 成行の左側に居たシサツジカが鎖を角に絡ませて、〈いらだちの波及〉スキルの効果で痺れて動けなくなる。

〈憤怒の障壁〉が成行自身の周辺に高温を発生させるように、〈いらだちの波及〉は成行が使用した武器に高圧電流をまとわせるスキルであった。

 大型のエネミーに対しては一撃必殺というほどの殺傷力は持たないが、かわりに一時的にエネミーの体を不動にするスタン効果がある。

 成行は慎重にもう一体残っていたエネミーの方向に盾を構え、鎖を手放してフクロの中から金属棒を取り出し、身動きを封じたシサツジカの頭蓋を叩き割る。

 それとほぼ同時に、成行の右手にいたシサツジカが成行に体当たりをしてきた。

 それを盾で受け止めた成行は衝撃をすべて殺しきれずに、体ごと吹っ飛ぶ。

 しかし、体当たりしてきたシサツジカも成行の〈憤怒の障壁〉の餌食となり、前の半身を黒焦げにして息絶えた。

 吹き飛ばされた姿勢のまましばらく盾の下敷きになっていた成行は、少ししてから身を起こして成果を確認する。

「ニ体、三体!」

 そのあと、そう叫んで高笑いをしはじめた。

「仲間を呼ばれる前に、倒しきったぞ!」


 それから成行は、それまでの鬱憤を晴らすようにシサツジカを狩っていった。

 どうやら成行の現状では五体までのグループであれば、成行の方が先に発見すればどうにか仲間を呼ばれる前に全滅させることができるようだ。

 逆に、シサツシカの存在を成行が察知する前に、シサツジカに気づかれた場合は、かなり高い確率でどこからか仲間のシサツジカが沸いてきて取り囲まれる結果となる。

 そうなっても、もはや成行が手こずることはなかった。

 盾の新しい機能があるからだ。

 成行が盾の土台を地面の上に置き、盾の取っ手にあるスイッチを押すと、以外に大きい音が響いて盾の土台部分から地面へとアンカーボルトが打ち込まれる。

 同時に、速乾性の超強力接着剤がその盾を地面に固定しているはずだった。

 成行は新しい盾をフクロの中から出しながら、シサツジカの群の中に身を投じる。

〈憤怒の障壁〉のスキル効果により、成行の行く手方向に居たシサツジカが生きたまま焼かれていく。

 盾を持っていない方の手で武器を振るって威嚇をしながら、成行はシサツジカの群れを翻弄し、追い込んでいった。

 一体一体が相手ならば、シサツジカはもはや成行の相手ではない。

 大勢に囲まれ、身動きを封じられることだけが危険だったわけだが、簡易バリケードにもなる盾を手に入れたことによって、むざむざ取り囲まれる危険性もかなり軽減した。

 成行は、シサツジカの群れを牽制なながら左右に展開し、地面に固定された盾の道をさらに延ばしていく。

 成行がこの道の中にいる限りは、シサツジカに取り囲まれる心配がない。

 あとは悠然と、シサツジカの群れを一体一体始末をしていけばいいだけだった。


 盾を入手したその日のうちに、成行は五百以上のシサツジカを倒し、その他のエネミーのドロップ・アイテムも含めて、久々に大量なアイテムを手に入れた。

 その中には「角細工の手斧」という、シサツジカだけがドロップする、比較的レアなアイテムもいくつか含まれていた。

 この角細工の手斧は一種のトマホークとして投げて使用することもでき、この階層で多数の短剣を失っていた成行にとってはありがたい飛び道具となった。

 以外と高く売れるアイテムが多いことが判明したので、成行はその後も数日十二階層に止まり、せっせと角細工の手斧補充し、これまでの損失を補填するようにアイテムを回収した。

 せっせとシサツジカを倒しているうちにまた弱体化補正スキルがついたのか、数日もすると成行は盾を使うまでもなく、何十体というシサツジカの群れを相手にしても遅れを取ることはなくなっていた。

 その頃には以前ならば対応するだけで手一杯だったシサツジカの動きがひどく緩慢に見え、シサツジカと併走しながら左右に居るシサツジカを一体、また一体と休む間もなく撲殺できるようになっている。


 そんな頃、メーカーから成行の盾の使い方を撮影したいという打診があった。

 以前と同じく、撮影班を護衛する探索者を数名伴うということだったので、成行はその提案をあっさりと承諾する。

 ここまで世話になっている以上、どのみち、成行にしてみても断ることはできないわけだが。

 十二階層に出現したあと、成行は撮影班とその護衛からかなり距離を取って前進した。

 しばらくして首尾よく四体のシアツジカの群れを発見したので素早く接近し、そのうち三体を瞬殺し、残り一体の前肢を叩き折る。

 残酷なようだが、このシサツジカには仲間を呼んで貰う必要があり、即死させることはできなかった。

 前肢を折られ、満足に移動できなくなったシサツジカは哀れっぽい鳴き声をあげはじめる。

 すぐに地響きをたてて、大量のシサツジカの群れが遠くからこちらにむかって進んできた。

「ちゃんと撮影してくださいよ」

 成行は撮影班に声をかけてから、足を折ったシサツジカと殺到してくる群れの間に移動し、そこで両手にひとつずつの盾を構えて同時にその盾を地面に固定する。

 それを横に移動しながら何度も繰り返して、軽く弧を描いた壁面をあっという間に作りあげた。

「よっ」

 軽いかけ声とともに、成行は高さ二メートル以上はある盾の壁面を助走もなしに軽々と跳び越え、壁のむこうへ姿を消す。

 撮影班の人たちが慌てて盾の壁に近づき、カメラや照明を持った人たちは探索者のフクロから脚立を出させてその上から盾の壁のむこうに居る成行を撮影しはじめる。

 護衛の探索者たちは撮影班の左右に分かれ、盾の壁の端からこちらにむかってくるエネミーに備えた。


 盾の壁のむこうでは、成行対シサツジカの群れの戦いがはじまっている。

 実際には、戦いというよりは単身の成行が圧倒的多数のシサツジカを一方的に虐殺していた。

 成行が動くたびに短剣や角細工の手斧が飛び、鎖や金属棒がきらめく。

 そのたびに、血吹雪が舞い、血に肉が焼け焦げる独特の匂いが周囲に充満する。

 五分もしないうちに、軽く百体以上は居たはずのシサツジカがあっさりと全滅した。

 その後、成行は悠然とその場に残っていた死体やドロップしたアイテムを自分のフクロの中に回収し、専用のスパナをフクロから出して地面に固定していた盾の基部と本体を繋ぐボルトを外して、盾本体をやはりフクロの中に回収した。

 この盾は、基部こそ使い捨てになるが、盾の本体部分自体は破損でもしない限りは再利用可能なのである。


 その撮影があった日からさらに数日後、成行は今度は公社から呼び出しを受けた。

「研修への協力要請、ですか?」

 四つ木迷宮支部長から直々に要請された内容に、成行は軽く眉をひそめる。

「でもあれって、もっとベテランの人をあてると聞いていますが」

 研修期間後半における実習日の護衛役は、長時間探索者として働いた者の中から選抜して協力を要請されるはずだった。

 探索者になってからまだ半年もなっていない、潜行時間もようやく千時間を越えたばかりの成行は、多くの探索者の中ではまだまだ駆け出しの部類である。

「基本的にはそうなんだが、君はまたかなり特殊な事例になるからねえ」

 支部長はそうなことをいいだした。

「おそらく、単位時間あたりのエネミー撃破数は、かなり経験を積んだ探索者でも君には及ばないだろう」

「それこそ、数だけが問題になるわけではないでしょう」

 憮然とした表情を崩さないまま、成行は応じる。

「浅い層のエネミーがいくら集まったところで、深層のエネミー一体に及ばないわけで」

 正直なところ、まだまだ新人に分類される自分が研修の場で貢献できることはないと、成行は思っていった。

「だが、その浅い層のエネミーを短い時間の間で大量に倒すことにおいて、今の君以上に効率よくできる者はいない」

 支部長はそう断言する。

「なに、新人たちを同じパーティとして連れて、君はいつもの通りの仕事をしていればいいだけだ。

 新人たちのお守りは、しっかりとした人間を別に用意する。

 それで、新規に登録した探索者の安全性は、格段に向上する」

「……つまりは、レベリング、ですか」

 ようらく支部長が意図するところを理解し、成行は軽くため息をついた。

 パーティで行動する場合、エネミーを倒したときに得られるなにかは、パーティの構成員全員の間でだいたい均等に割り振られることが、経験上、わかっている。

 その、エネミーを倒したときに得られるなにかとは、マナ、魔力、経験値などと人によって呼び名は変わるわけだが、それのおかげで探索者たちが迷宮内と迷宮近くに限り、スキルをはじめとする超人的な能力を発揮できるといわれていた。

 まだろくにその経験値を得ていない新人たちと成行を同じパーティにし、新人たちの初期能力を強化しようというのが、この支部長の意図することらしい。


「毎日は無理です」

 支部長の意図を理解した成行は、しぶしぶといった感じでそういった。

「週に一日か二日の割合でどうかね?」

「せめて、週に一日で」

 成行はいった。

「自分の仕事をこれ以上遅らせるのは避けたいので」

「君の働きが他の探索者と比較して劣っているとは思わないのだが」

「おれの潜行時間くらいの人なら、普通ならとっくの昔に五十階層以上先に進んでいますよ」

 不機嫌そうな様子を隠そうともせず、成行はそういいきった。

「では、週に一度、しかし、その一日の間に、二組か三組の新人たち連れていってくれ。

 一回あたりの時間は、ごく短時間でもよい」

 支部長は、なおも食いさがってきた。

「その分、特別手当は弾む」

「その手当に関しては、定期的に金額を査定し直してください。

 できれば、おれ自身の希望を優先していただけるとありがたいです」

 成行が攻略中の階層進度によって、普段得られるはずの報酬金額も変動してくる。

 無駄に拘束される時間が発生するのであれば、一律同じ金額でいつまでもそんな役目を押しつけられるのは、成行としては避けたかった。

 なに、報酬金額で折り合いがつかず、この仕事から降ろされたとしても成行としてはむしろ都合がいいくらいだったので、強気な態度で接することができた。

「毎回、というのは事務処理上、負担が大きいので無理だが、報酬については毎月査定し直すようにしよう」

 すぐに成行の意図を理解した支部長は、そういって頷く。


 何度も試行錯誤を重ねた結果、成行の装備類は以前とは比較にならないくらいに洗練されたものになっていた。

 各種の耐久性はもちろんのこと、動きを阻害しない伸縮性や柔軟性、通気性、デザインなども新しい試作品があがってくるたびに向上している気がする。

「憤怒の障壁みたいな極端なスキルを持っていない人にとっては、こいつはハイスペックすぎるのではないですか?」

 顔をあわせる機会があったとき、成行はメーカーの技師に質問してみたことがある。

「そうでもありませんよ」

 その技師は答えた。

「一般的には確かにハイスペックなのかも知れませんが、深層にいけばいくほど極端な環境や能力を持つエネミーなどが現れる傾向がありますから」

 その先に進むにことを望む探索者は、多少割高であっても高性能な防具類を求めることもあり、それなりに需要はあるといわれた。

 まあ、そうでなければわざわざ成行とこうして取引まで行って面倒な開発もしないだろうな、と成行は納得する。

 そんなわけで、今の成行の装備類はきわめて見栄えのするものになっている。

 少なくとも迷宮に入る前は常に新品を身につけているということの他に、プロテクターを着ける前の服からして、新人に配布される大量生産のやぼったいものとは大違いなのだ。

 体にぴったりフィットしたスウェットのような質感の服は、探索者用というよりなにかの競技のアスリート用に見えないこともない。

 体の線がもろに浮き出るこの服は、成行にしてみれば特撮番組のヒーローかなにかのような非日常感にあふれていて、着ているとどこか気恥ずかしさを感じてくるほどだった。

 これ一枚で断熱性や絶縁性、耐衝撃など複数の機能を備えているのだから、その実用性には変えられず、これも仕事のうちと覚悟を決め、いつも何気ないふりをして着ていたが。

 実際にはさらにその上に各種のプロテクターを身につけるため、そうなるとほとんど体の線は気にならない。


「本日、皆さんに同行することになった鳴嶋という者です」

 とにかく、そんな格好をして成行は新人研修生の前に立つ。

「つい先日まで自分も皆さんと同じく、新人研修を受ける側の人間でした。

 今日一日、よろしくお願いします」

 成行の挨拶は、いつも素っ気ないのもだった。

 成行がどういう探索者であるのか事前に誰かが説明していると思っていたし、仮にそうでなくても成行自身が行う仕事に変わりがないと思ったからだ。


 成行は数十名の新人たちとその護衛を伴って迷宮に入り、そこでいつもの通りに仕事をする。

 成行以外の者たちは、成行からかなり距離を取って成行のあとをついてくる。 

 成行が持つスキルの多くは、特定のエネミーを弱体化するだけではなく、成行の元に集める効果もあった。

 つまり、エネミーたちの注意はほとんど成行だけにむけられ、他の者たちはそれだけ安全になるのだ。

 やがてエネミーが実際に現れ、成行の元に集まるようになると、新人の研修生たちはおろか、引率に来たベテランの探索者たちも、目の前で展開される凄惨な光景を見て、絶句した。


 公社の新人探索者むけ研修は、大まかに分類すると二種類あった。

 成行も受けた通称の研修と、それに日本国籍を持たない人たちにむけた研修とである。

 不可知領域の内部から貴重な資源がほぼ無尽蔵に採取されることが判明して以来、様々な国から「日本のみでその資源を独占するな」と圧力をかけ、その結果として限定的に他国にも門戸を開いた、という過去があった。

 どの国からどれくらいの人数の探索者を受け入れるかはそのどきどきの政治情勢や経済状況、国同士の力関係などによって変動していて、一定していない。

 公社は探索を希望する国と共同して、それぞれの母国語に通じたインストラクターの養成などに協力しており、そうした外国人探索者の新人研修についてはそのインストラクターに一任しているという。

 実際の取り組み方などは国によって微妙に異なってくるわけだが、一般的な傾向としてそうした外国人むけの研修は日本人むけのそれよりはずっと簡略化され、必要とされる日数もかなり少なくなるらしい。

 こうした外国人むけの研修にも、成行は何度か同行している。

 こうした外国人探索者たちの反応は、日本人を相手にしたときと比較すると決定的な違いがある。

 反応の仕方は相手の国や民族によりかなり異なっていたが、日本人の反応よりも格段に騒がしかった点はどの国も共通していた。


 そんなことを何度か繰り返すうちに、成行は徐々に新しい異名で呼ばれるようになる。

 スローター、と。

 虐殺、惨殺、無差別大量虐殺などの意味がある。


「スライム・キラーと比べると、どっちが不名誉な呼ばれ方になるのかな?」

 などと、成行は他人事のように思った。

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