04.主人公、単身で迷宮に入り、その空気を実感すること。

 これまでに嗅いだことがない匂いであった。

 具体的になんの匂いであるのかは、もちろんわからない。

 しかしその成行にとって異質に思える匂いの存在が、成行にこの迷宮内の空間が既知のどの場所とも違った性質を持った場所であるという感慨を抱かせる。

 成行は、気持ちを落ち着けて周囲を観察した。

 床と壁面は、材質はわからないが白っぽく発光していて、細かな凹凸が奇妙な模様を描いている。

 そのため、周囲は全体に薄暗く、近場ならば照明がなくとも見通すことができた。

 また、壁面などについている模様も、自然の造形というよりも人工物であるといわれた方が納得できるる気がする。

 七十年近く前に突如出現したこの空間は、人類の知能を試験するため、どこかの知的生命体が創造したという都市伝説を成行も耳にしたことがあるのだが、実際にこうして中に入ってみると、そういう噂はかなり信憑性があるようにも思えた。


 成行は一度深呼吸をすると、六角柱の金属棒を持ち直してゆっくりと前進をはじめた。


 最初の迷宮入りで、なおかつソロでもあったため、成行はことさらに慎重であるよう心がけることにした。

 具体的にいうと、その日は階段を見つけても降りることなく、一階だけをうろつくことを最初から決めている。

 五階以内の浅い層に出現するエネミーはほとんどアイテムをドロップせず、倒してもさして利用価値がない死体を残すのみであった。

 そのため、普通の探索者たちは足早に、もっと美味しい深層へ急いで、通過していく。

 初心者である成行は、まずはそんな浅い層に長時間留まり、迷宮に慣れることを選択したわけである。


 エネミーとは、迷宮内に出没する適性疑似生命体の総称であった。

 物理攻撃ないしはスキルなどで攻撃をすると倒すことができ、倒すと大抵は死体を、ごくまれに武器や硬貨、金属のインゴットなどのアイテム類に変化することがある。

 エネミーという呼称の通り、迷宮内への侵入者に対してはかなり攻撃的な行動を取る傾向があった。

 大抵の探索者は、こうしたドロップ・アイテムの採取を目的として迷宮内に入るわけである。

 また、深層に行けば行くほどエネミーは強大な存在になり、ドロップされるアイテムも貴重な物質であったり希少価値のある物品になる傾向があった。

 当然、探索者たちは自分の手に負える範囲内でより深い階層を目指すことになる。

 成行のような、パーティを組んで貰える人物になんの伝手もない、ズブの素人はこの限りではないが。

 成行の場合、収入うんぬんよりも、まずはこの場に慣れることを優先している。


 一度迷宮内に入ってしまえば、他のパーティと遭遇する心配はほとんどないと、そういわれている。

 どうやら迷宮内の構造は、入る人によって、あるはい入るたびに変化するらしい。

 迷宮内の構造が観測者によって変化するその理由について、講義の席でも量子力学的うんたらとか多次元解釈がどうたらとか、人間原理とかの難しい用語を駆使して説明されていたが、成行にはまるで理解できなかった。

 この世界の最高の知識を持つ専門家たちの間でも、なぜ迷宮内の構造が一定しないのか、はっきりとした解明されたわけではないらしい、ということは朧気に理解できたが。

 要するに、そうした難しい言葉で説明された理屈も、現在の時点は仮説に過ぎない、ということだった。

 成行にしてみれば、そんな役に立たない理論よりも、一度迷宮に入ってしまえば他人の目を気にしなくてよい、という気軽さの方が重要であった。

 ひとりで迷宮内をうろついている合いだは、どんな無様な真似をしても嘲笑されることがないからだ。

 ヘルメットに内蔵されているビデオカメラには成行の目前に展開される光景が常時記録されているわけだが、こうした動画データは事故などがない限りは再生されることはまずない。

 少なくとも、成行はそう聞かされていた。


 一階の内部を長時間歩き回り、そこで遭遇したエネミーを手当たり次第に倒して場数を踏み、迷宮内の環境に慣れる。

 文章にするとひどく単純に見えるが、実際に実行しようとするとあまり容易くはない。

 なにしろ成行は、つい数日前まで自室内からさえろくに出ることもない引きこもりであったから、体を動かすことに慣れていなかった。

 ここに来てから慌ててジムに通ったりしているのだが、そうしたつけ焼き刃が通用するほど現実は甘くはなかった。


「この!」

 出現したエネミーにむかって成行は手にしていた金属の棒を振るった。

 しかしその棒は、むなしく風切り音を響かせるばかりで、肝心のエネミーには一度も命中していない。

 素早く棒を振るうことができる、ということと、振った棒をエネミーに命中させることができる、ということは、まったく別の技能なのだ。

 まだ一階ということもあり、出現するエネミーも弱く、成行自身も大したダメージを負っていないのが幸いであった。

 成行は、かれこれ十分以上もエネミー相手にこうして棒を振り回している。

 一階に出没するエネミーは、主にハネネズミとシロコウモリである、と公社から支給された冊子には書かれていた。

 その他に、全階層に共通して出没するスライム系統のエネミーや、階層に関わらず低確率で没するイレギュラーなども存在するのであるが、これらについては別の機会に後述する。

 ハネネズミは、壁から壁へ、あるいは、床から壁へと体を丸めて飛び回るネズミに似たエネミーであり、主な攻撃方法は体当たり。何度も体当たりを繰り返して、獲物が弱って抵抗しなくなると、はじめて牙を剥いて食らいついてくるという。

 シロコウモリは、その名の通り全身が白いコウモリで、その体の色が一階の壁面では保護色となり、ふわふわと浮かんでいると視認がしずらかった。シロコウモリの攻撃方法は牙と爪による直接攻撃。

 プロテクターで身を固めた探索者がこのシロコウモリを攻撃をまともに受けることは滅多にないそうだが、万が一、体を傷つけられることがあったら、できるだけ早く患部を消毒し、迷宮を出てからもすぐに公社に報告するようにと指導されている。

 シロコウモリは毒を持たないが、爪や牙にはたいてい雑菌が付着している。それも、迷宮内のことであるから、得体の知れない未知の病原菌である可能性もあるのだった。

 ハネネズミにせよ、シロコウモリにせよ、体が小さく、体長は十センチもも満たない。

 その小さな体ではしっこく動き回り、隙あれば攻撃してくるから、まともに相手にしようとすると、かなり難儀する。

 ましてや、ろくなアイテムをドロップしないことがわかっているので、大抵の探索者は一階を素通りしてそうしたエネミーはできるだけ相手にしないようにしている。

 そうした事情を成行は知らなかった。


 長時間、同じエネミーと戦闘し続けていると、エネミーたちは仲間を呼ぶことがある。弱いエネミーほど、頻繁に仲間を呼ぶ傾向があった。

 こうした傾向は、浅い階層のエネミーが探索者たちに敬遠されがちな理由の一因ともなっている。

 倒しにくい。倒したとしてもほとんど報酬にならない。少しでも手間取れば際限なく数が増えていく。

 と、浅い階層のエネミーは、普通の探索者ならば敬遠すべき理由ばかりが多い、まるで美味しくないエネミーなのだ。

 繰り返しになるが、素人であり初心者でもある成行は、そうした事情を知らなかった。

 公社が教えてくれるのは、もっぱら迷宮内で死亡を回避するための知恵であり、実際的な攻略法ではない。


 その結果、逃げ出さずにその場に出没したエネミーすべてをまともに相手にしようとした成行は、すぐに夥しい数のエネミーに取り囲まれることになった。


 際限がない、と成行は思う。

 振り回した棒がまぐれで当たり、あるいは足でたまたま踏みつぶしたりして何体かのエネミーを倒すことができたが、そうして倒した数よりもエネミーが増える速度の方が圧倒的に早かった。

 プロテクターのおかげで大きな負傷こそしていなかったが、何度かむき出しのままだった顔面にハネネズミの体当たりを受けている。体が小さなハネネズミの攻撃を受けても大したダメージはないのだが、それでも鼻先などまともに受けると、まあそれなりに痛い。涙も浮かぶ。

 成行は涙を浮かべながらも、手にしていた棒を闇雲に振り回した。

 すっかりエネミーに取り囲まれているため、なにも見ずに棒を振り回しても、エネミーを何体かはたたき落とすことができる。

 それほど空中のエネミー密度が濃くなっているということでもあるのだが、先ほどから激しい運動をして脳内に大量のアドレナリンが分泌されているせいもあり、成行きはこのままエネミーに押し切られて敗北する、ということをまるで想像していない。

 興奮状態にある成行の思考はある意味では麻痺しており、周囲に押し寄せるエネミーへの恐怖よりもまとめて何体ものエネミーを倒す快感の方に酔いしれている。

 汗だくになり、息を荒くしながらも、成行は次々とエネミーを倒し続けた。  

 あるいは、実家からこの迷宮に放逐されて以来のやり場のない鬱憤をエネミーにぶつけていただけかも知れない。

 しばらくそうしているうちに、疲労が蓄積しているの成行の動きが、徐々に俊敏になってきた。成行自身は、そうと自覚する余裕はなかったが。


 迷宮内における蓄積強化として知られている現象が、成行の体に発現していた。

 迷宮内において、より多くの、あるいは、より強大なエネミーを倒したときに発現する現象である。

 通常は、身体機能の強化といった形で発現するが、前述のフクロやフラグ、あるいは攻撃魔法にも似たスキル類を修得できるのもこの蓄積強化現象の一形態なのではないか、といわれていた。

 こうした現象は迷宮内であるか、それとも迷宮からさほど離れていない場所でないと発現しない。

 そのことから、エネミーを倒したことによりそのエネミーが持っていた何らかのエネルギーを体内に取る込むことによって、そうした現象が起こると考えられている。

 あくまで仮説であり、人類の科学ではそうした未知のエネルギーを計測する方法さえ、まだ存在しないわけだが。

 通常であればこうした蓄積強化が目に見えるほど発現するためには、もっと深い階層に入ってそこに出没するもっと強いエネミーを倒す方が効率的であると考えられている。

 数十、あるいは数百という数の一階層のエネミーを倒すことよりも、五階層以降に出没するエネミー数体を倒す方が、時間も手間もかからない。

 わざわざ一階層に留まって無数のエネミーを正面から相手にしようという酔狂な探索者は、成行以外にはほとんどいなかったはずだ。


 時間が経つにつれて、成行の動きは鋭さを増していった。

 攻撃がエネミーに命中する頻度が劇的にあがっていき、手足の動きも最初の頃とは比較にならないほど早くなっていく。

 成行に倒されるエネミーの数は加速度的に増えていき、ついにはエネミーの増加率よりも成行の撃墜数の方が上回るようになった。

 成行を中心として押し包むように群れていたエネミーたちが徐々にその密度を薄くしていき、ついには動き回るエネミーが途絶えた。

 周囲に動くものがいなくなったことに気づいた成行は、荒い息をつきながら金属棒にもたれかかり、自身も動きを止めた。


 終わったのか。

 と、成行は思う。

 誰だ、一階層に出現するエネミーは雑魚ばかりだとかいったやつは。

 とも、思った。

 成行にしてみれば、これが迷宮内でのはじめての実戦といことになる。

 続けて、

 迷宮というのは、想像していた以上にきつい場所だな。

 と成り行きは思った。

 毎回、エネミーに出会うたびにこんな戦闘をしなければならないとしたら、探索者というのは噂以上の三K仕事だ。


 地面に降り積もった夥しいエネミーの死体をぼんやりと眺めながら、そんな思索を展開していた。

 そうして休んでいるうちに、視界の隅になにか蠢く物体が出現する。

 床面から染み出てくるような半透明のゲル状の物体が、エネミーの死体を包もうとしていた。

「スライムってやつか」

 成行は呟く。

 スライムは、迷宮内でアイテムに変化しなかったエネミーの死体を補食するスカベンジャーで、亜種や変異種がやたらと多いことで知られている。

 そうしたスライム類に共通しているのは、倒したとしてもろくなアイテムをドロップしないということだ。また、死体も残らない。スライムを倒すと、なぜか液状化する。

 倒しても益がないので、低い階層のエネミーと同様に、探索者たちはこのスライム類をまともに相手にしていなかった。

「ふん」

 そのスライムを、成行は踏みつぶす。

 それだけで、エネミーの死体にまとわりついて溶かして補食していたスライムは、ぺしゃりと音をたてて潰れる。

 スライムの体液は強い酸を含んでいるそうだが、探索者用の靴も衣服と同様に耐酸加工処理をされているので問題はない。

「このこの!」

 休憩がてら、成行は際限なく湧いて出てくるスライムを足と金属の棒を使って延々と潰し続ける。


 結局、成行は最初の戦闘を終えただけでいったん迷宮から出ることにした。

 随分と長い間迷宮に入っていたように感じるが、外に出てみるとまだ昼下がりであった。

 迷宮に入ったのが午前八時過ぎであったから、六時間程度しか経っていない計算になる。

 スライム潰しをしていた時間を差し引いて、五時間前後の時間を最初の戦闘に費やしていたと気づき、成行は自分のことながらその事実に呆れた。

 この時間が、なんとしてでも短縮する必要があると感じる。そうでないと、あまりにも効率が悪い。

 IDカードをゲートにリーダーに翳して外に出ると、公社の係員をはじめとしてすれ違う人たちがほぼ全員、成行のことをじろじろと眺めていく。

 ゲートを出てトイレに行き、そこの鏡で自分の全身がエネミーの返り血などで汚れ放題であることにようやく気づいた。

 ヘルメットといわず服といわず赤黒いエネミーの体液で汚れた自分の姿を鏡の中に確認した成行は、

「格好だけなら歴戦の勇士だな」

 と他人事のように思う。

 成行の事情を知らない人がこの姿を見たら、さぞかし激戦を潜り抜けてきたかのように錯覚するだろう。じろじろ見られるのも納得がいく。


 トイレを出てその足で売店に行き、替えの服とそれにヘルメットに装着するフェイスカバーを購入する。

 探索者用の装備は特殊な加工がなされており、また、極端に大量に生産されるものでもないため、以外に高価だった。

 できれば今のタイミングでの出費は避けたいところであるが、どの道、予備の服は必要であることを今さらながらに実感させられた。

 それに、フェイスカバーはやはり必要だ。

 今日の相手がたまたま一階層のエネミーだったから涙をにじませる程度で済んだが、今後も急所が集中する顔をさらけ出し続けているのは危ないと、これまた実感させられた形である。

 そろそろIDカードにプールしていた残金が乏しくなってきているのだが、成行は経済的な損失よりも身の安全を優先することにした。


 売店の試着室で買ったばかりの服に着替えてから、成行はまずロッカールームにむかい、そこで金属棒やプロテクター、ヘルメットなどを収納する。

 それから汚れた服を持ってシャワールームへと移動し、その横にあるコインランドリーに汚れ物を放り込んでからシャワーを浴びた。

 汗を終えたあと、一度コインランドリ-に様子を見に行き、まだ洗い終わっていないことを確認してから、食堂にいってそこで一番安い素うどんを手早く啜る。

 それからまたコインランドリーに戻って、衣服の洗濯と乾燥が終わるのを休憩がてら待つことにした。

 乾燥が終わった衣服を取り出し、それからまたロッカールームに戻って装備を身につけ、また迷宮へとむかう。

 不思議と疲労を感じていなかったので、もう一度迷宮に入るつもりだった。


 二回目の戦闘も一回目と同じような推移をしたわけだが、一回目とは違い、最後のスライム潰しまで含めて三時間ほどしかかからなかった。

 その日は流石にそれ以上に迷宮に入る気にもならず、ナップザックに入れておいたドロップアイテムを公社の窓口に出して換金して貰う。

 一階層のエネミーだからドロップ率は低かったはずだが、成行の場合、倒したエネミーの数が数である。

 二回の戦闘分すべてを合わせると、そこそこの重量になった。

 数なんかいちいち数える気にもなれなかったので地面に散らばっていた効果や短剣を熱郛ザックの中に放り込んでそのままにしていたものである。

 窓口の職員は、その数に呆れていたようだった。

 低階層のエネミーがドロップするようなアイテムを、一度にこれほど大量に持ち込む者はほとんどいない。大抵は、通りすがりに倒してたまたまドロップしたアイテムをひとつかふたつ、持ってくる程度なのだ。

 二本の短剣を自分使い用として残しておき、それ以外のすべてを換金してようやく三千円を少し超える程度の価値しかなかったようだ。

 今日一日、めいっぱい働いた稼ぎがそれかと思うと、成行は自分の将来に対してかなり悲観的になってしまったが、よくよく考えてみると成行はまだ一階層までしか足を踏み入れていない。

 この調子でもっと深い階層に進出していけば、稼ぎはもっと増えていくはずだった。

 少なくとも、今日の分だけでも食堂の素うどん十食分にはなるわけだし、ここは前むきに考えていくことにしよう。


 翌日の日曜日、成行は三回迷宮に入った。

 やはり慎重を期して一階層までにしておいたが、それでも一回の戦闘に費やす時間は劇的に短縮できている。

 慣れなのかなあ、と思いつつ、成行はその日三回目に迷宮に入ったとき、はじめて二回連続で戦闘を行ってみた。

 最初の戦闘のときとは違い、この頃には成行自身もかなり余裕を持って対処できるようになっている。

 無我夢中で動いているだけであった最初のときと比べると、エネミーたちの動きを一体一体個別に把握し、対処できるようになっていた。

 この最後の戦闘では、エネミーによる攻撃もほとんど受けていない。


 この土日の二日間で、成行の迷宮内潜行時間は二十時間に迫るほどになっていた。

 ちなみに、探索者の一日当たりの平均潜行時間は六時間以下であった。

 強いエネミーと対峙するストレスからか、深い階層にいく探索者ほど短い時間できりあげる傾向がある。

 初心者の探索者が一日八時間以上も迷宮に入るような例は、ほとんどなかった。

 ソロで迷宮に入ろうとする探索者も、ほとんどいない。安全性のことを考慮すれば、どうしたって数名でパーティに組んだ方が有利なのだから。


 そして、月曜日。

 新人講習も後半に突入し、成行らの研修生たちは迷宮前に集合していた。

「これから、全員で不可知領域、いわゆるに入るわけだが」

 研修生たちにむかって、泉屋という男がいった。

「初日はあくまで雰囲気を掴むだけだから、お前ら研修生はなにもするじゃないぞ。

 なにか必要なことがあったら、こちらが指示をする」

 この泉屋をはじめとして、研修生の付き添いとして十名もの現役探索者が集められていた。

 参加している研修者の人数が二十八名だから、その三分の一ほどの人数が護衛件案内役として用意された形となる。

 迷宮というのはなにが起こるかわからない場所であり、特にこれから探索者になろうとする人たちを危険に晒したくはないという公社の意向によって、こうして一見厳重すぎるほどの警戒体制を整えているのであった。

 研修生とその護衛の探索者たちは列を作って順番に迷宮に入っていく。

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