第24話「珈琲豆は焙煎中!04:青い目の猫は幸運のしるし?」
(承前)
『まるさん』
通信はプロトコルも何もかもすっ飛ばして、唐突に入った。
「こういう強制介入みたいな通信波って亜空間通信の法律に抵触しないの?」
まるはちょっとイラッとして悪態をついた。
「船長、羽賀参事官は特権をお持ちですので……」
よけいなつっこみを瀬木がしてきた。勿論そんなことはまるだって承知していた。
「あーはいはい。それで
『
「何よ、目隠し状態で飛び出したの?」
『そういう事になりますね。まあ、有視界とか、電波的なものに依存しない方法を駆使しているようです』
<よくやるわねえ。まあ、私を含めうちの連中も似た様なものかしら>
「こちらも出来る限りの速度で大気圏に降下しているわ。そのうち遭遇ね、行き過ぎない様にしないと」
〈
「加藤君、対象宇宙艇影を探査。大気圏内を高速移動する飛翔体だから、それだけで電磁波を出しているはずよ」
物質が超高速で分子に衝突するとマイクロ波を発生する。
「船長、発見しました。謎の高速飛翔体、惑星〈種子島〉の上空200kmを秒速30kmの速度で仰角30度で進行中です」
「向こうも負けず劣らずの速度ね、こちらとの相対速度は?」
「それが、仰角以外は殆どランデブーコースです」
「どういう事かしら」
ランデブーコース、とは、要するに速度とベクトルを調整して、こちらとの接触を図ろうとしているという事だ。
「体当たり――なんて事をする子ではないわよねえ。何かなぁ」
「20秒後に接触します」
まるが悩んでいる間も船は動いている。やがてレーダー上の船影が〈
「な、なに?」
『船体に対して強力な音声波動が送られてきます。音声のビーム通信ですね』
淡々と「ふぇりす」が状況を伝えてきた。
「復調できる?」
『できます、コンソールに回しますね』
すぐにコンソールから音声のみが再生される。あくまで電波は使わない方針らしい。
『やあ、まるとその仲間の諸君。こちらの都合だが、電波通信ができないので一方通行で失礼するよ』
もったいぶった
「前置きは良いから本題を言ってくれないかしら」
ラファエル副長がすかさず突っ込み返す。
「船長、相手には聞こえませんよ」
「分かってるわよ」
『どんな鈍い奴でも異星人技術を駆使したクラックを仕掛けて来られたりしたら、羽賀さんと君たちが何らかの方法でコンタクトを取ったのは分かるよ。恐らくはまる、君が消えたのもその一環だろう』
まるは専用操縦席のコンソールに前足をのばして座って居たが、これを聞いて頷いていた。
「まあ、ばれて当然よね」
次の瞬間、ぐらっと〈
「船長、何らかのフォースフィールドに取り込まれました!」
『君たちが仕掛けようとしている罠は未知数だ。それじゃこちらは不利なだけだ。そこで、こちらもゲームの駒を用意させて頂くよ』
§
ピンインは宇宙港にある自分の航宙船〈
案の定、謎の降下艇が〈
「ほほぅ、空中ガールハントですか。でも手荒な真似を淑女になさるとは、無粋なお年寄りですねえ」
そういいながら
「さて、女性を取り合って雄猫同士で戦いましょうか!」
『ピンインさん、手荒な真似は避けてくださいね』
いきなり羽賀参事官からの茶々が入る。
「いきなり通信を送るとかできればご遠慮いただきたいのですけど……」
『まるさんからも突っ込みを頂きました。あの子に罪があるというより、責任は私にあります。出来る限り傷つけずに連れ帰ってくださいますか? 私もいろいろと画策致しますので』
「難しい注文をさらりとしてこられますね。まるさんから聞いていた通りのお方の様だ。絶対の約束はできませんよ?」
『分かりました。よろしくお願いします』
猫用の操縦席は大きさこそ違え、まるが使っているものもピンインが使っているものも大差はない。まる用は人間に近い操作ができる彼女のマニピュレータに負う処もあるが、基本操作は指ではなく、前脚と後脚の4本を駆使する形で行う。クッションに跨る形で乗り、あごをHUD《ヘッドアップディスプレイ》付きの
まあ、はっきり言ってしまえば、クッションに跨って顎をのせた、猫萌えな人が見るとちょっとキュートな姿勢の猫が、航宙船を操縦しているのだ。この設計は勿論特注で、まるの発案である。使う猫は新参者も含めて3匹しかいないのだから。
ピンインは操縦席に座ると、スラスターを始動した。
「さて、青い目をした
どこで覚えたのか、遙かな昔の「青い目の人形」という童謡をもじって歌いながら、ピンインは
§
「さて」
羽賀参事官は屋敷の地下にある無事な施設に居た。実際のところはそこが屋敷の本体らしく、全ての機能はそこに集約されている。彼は関係者のすべての挙動を把握していた。
「
「ピンイン君は直接救出に向かうわけではなさそうですね。さて、どう出るのでしょう」
そういいつつ、自分は自分で準備を進めていた。
「ふむ、私の出番はもうちょっと先になりそうですね。ではピンイン君のお手並み拝見としましょうか」
§
「船長、どうします?」
ラファエル副長は淡々と聞いた。こういう時の彼は状況の理不尽に対して怒りが限界に達している。
「さあねえ。私達にはこの船しかないし、なるようにしかならないわよね」
まるは軽く
「それは嘘ですよね」
ラファエルは詰め寄った。
「……わかったわ。〈川根焙じ・改〉と〈
「了解です。船長」
〈川根焙じ〉は〈コピ・ルアック〉搭載の老朽降下艇だった。もう廃船直前の状態ではあったが、まるが昔から使っていることもあり、なかなか捨てられずにいたため、「武装貨物船競争」前に改装が決まって、資金が有れば即改装となっていたのだった。そして、昨日までの数日の間に生まれ変わって帰ってきていたのだった。
そして、2隻は今、其々よりはるかに小さく見える〈
「いま〈
「無理。どっちにしろこの捕縛を解く方法を考えないと手も足も出せないわね。でも、何とかなりそうよ?」
まるが目玉をきらりと光らせてスクリーンを示した。
「こちら航宙船〈
「お待ちしておりました、ナイト様♪」
「ナイトなんて格好いいものじゃないですよ。せいぜい騎兵隊の一騎って処でしょうか」
「じゃ騎兵さん、このフォースフィールドを何とか解除して頂けるかしら?」
「やってみましょう!」
<
§
「新手が出てきた?面倒臭いなぁ」
しかし、正反対のフィールドをぶつけられ、いち早く無効化されてしまった。
「おや、やるね」
すると、電波的な干渉手段を、電子系統をすべてOFFにして遮断しているはずの彼の所に通信が入った。
『やあ、すまないね。君は僕の事を覚えているかい?』
それより気になることが有った。
<どこから通信を送ってきているのか……>
音波干渉に対する防備も固めてあるから、まるに
『どこから通信を送って来たか気にしているのかい? 子供が工作で作るレベルのものだよ』
言われて
「い、糸電話?」
『お、いい所を突いてるね。でもあれだと線がたわんだら通信できないから、中空のチューブを張り付けてみました』
ピンインはまず、
その際、
一旦物理的に接続してしまえば、超大音量のスピーカーで音を流せば、船殻からでも音を伝えられるし、船殻からの音をセンサーで拡大すれば傍受も出来るという、割と原始的な方法だった。でも、正直言って子供はこんなものを工作で作ったりはしない。そんな事をやる「子供」はピンイン自身位なものだ。
それでも
「原始的な手段を使って防壁を突破だとか、こちらを小馬鹿にしたつもりかい?」
棘のある言葉で
「いえいえ、とんでもない。お年寄りに若者からの一撃をお見舞いして見たくなっただけの話です」
一方のピンインがのらくらと受け流したので、
「あいにく僕は君の事は覚えていないが、ロクでもない餓鬼だという事は分かったよ」
ピンインは話しながら、まるたちの船をけん引しているフォースフィールドの発生源を探した。
<どこから出している……>
まるたちの船に出されているフォースフィールドは、どこか特定の場所から出している形跡を見つけることが出来なかった。船自身を見ても、目立ったものはない。まるでどこからともなくフィールドが発生しているようにも見える。まるで目には見えない何かがいるようだ。
「あ、そうか」
ピンインははっと気が付いて、フォースフィールドを拡大視認した。
<こういう方法か……>
「まる船長、分かりましたよ。恐らくそのフォースフィールドは、船殻に大量のナノマシンが取りついて発生させているんだと思います」
ピンインからの通信を受けて、まるが応える。
『オスどおしで仲良くじゃれ合ってドッグファイトならぬキャットファイトやってるから、こちらの事を忘れてるかと思ったわ』
「なんですかそれ――」
『それで、フォースフィールドは解除できそう?』
「フォースフィールドを発生しているナノマシンは、内側からの抵抗を想定してフィールド外部に居ますね。一度其方の船をまる焦げにしても大丈夫ですか?」
『良いんじゃない?どうせ
「それでは遠慮なく、焼き加減はレアで」
そういうと、ピンインは〈
『よしやったわ。搭載艇2隻発進!』
まるの通信が入ると同時に、〈
この時点では、まるたちの攻撃のターンが始まったかに見えた。
§
「うわっ、気持ち悪いっ。あの小さな船にあんなの積んでたのか」
『そうなんだよねえ、気持ち悪いんだよあの船』
そういえばこの船の音はピンインにも筒抜けだった。
「君ちょっとうるさいよ。面倒だから接続は切らせてもらうからね」
そういうと、
『おお、チューブが伸びる伸びる。この素材の強度と引き伸ばしがどれくらい効くかを知るいいチャンスだね』
そういいながら、既に数キロの長さにチューブは伸びていたが、一向に切れる気配はなかった。
「一体これは何で出来ているのかな」
『面白いでしょう、理論値では2万キロメートルくらいまでは伸びるはずだよ』
「それは物質じゃ無理そうだね」
『当たり、これは
「敵に解説してどうするんだい。こんなへその緒付けて回るのは御免被りたいな。
そういって
「ぺらぺらと喋るからこうやって解除されるんだよ」
それからさらに操作すると、彼は船を加速させ、大気圏を離脱した。
「多勢に無勢は不利だからね。ちょっと巻き返しをさせてもらうよ」
§
『
「ふぇりす」がそう告げるとまるは落胆した。
「逃げられちゃった?」
『そのようですね、追撃しましょう』
ラファエル副長が〈川根焙じ・改〉の操縦席から通信を入れてきた。
「待って、急いては事をし損じるでしょ」
『今追わないと逃げ切られて、取り返しがつかなくなる可能性も進言させて頂きます』
<駄目だわ、彼、まだ頭に血が上っている。いつもが冷静なだけにこういう時は手が付けられないのよね……誰かブレーキを掛けてくれる人はいないかなぁ>
それが出来る人物からの通信が入ってきた。
『ラファエル副長、ちょっとお待ち頂けますか。
「羽賀参事官? 準備って……」
「船長、巨大艦ワープアウトします!」
「えええええええええ」
「なにあれ。スケール感がおかしいわ」
神楽の一言に反応して「ふぇりす」が解説する。
『全長50キロメートル。楔形の特徴的なフォルム、クラインの壺状のナセル機関』
まるはこの船に見覚えが有った。
「……連合戦艦〈UTSFエンタープライズ〉何でここに……」
『僕が拿捕して掌握したのさ』
〈UTSFエンタープライズ〉からの通信が入った。そこには
『さすがにこの船だと、羽賀さんの敏腕ハッカー氏もおいそれとはクラックできないようだね。僕も掌握まで2日ほど掛かったよ』
「わざわざ連合まで行って拿捕してきたというの?!」
『? この船はこの星系に潜んでいたよ。何をしようとしていたかは分からないけどね』
<〈連合通商圏〉のアホ軍部ども、何考えてるのよ……お蔭でややこしくなっちゃったじゃない>
「ふぇりす」が淡々と事実を報告する。
『船長、惑星近傍への巨大艦〈UTSFエンタープライズ〉のワープアウトにより、重力震が発生しています』
「ああもう、なんでこんな馬鹿みたいにでかい船作るのよ」
「案外これが目的だったり」
太田航宙士がボソッと言った。
「それ、はた迷惑すぎるでしょ」
「全くです」
<でもこれ、どーすんのよ……前回黙らせたのだって、クラックされてオーバースペック出した〈コピ・ルアック〉が居たから何とかなっただけで、今の私達には手も足も……>
「船長、拙いです。ラファエル副長が」
無謀にも、ラファエル副長は超巨大艦に攻撃を仕掛けている。だが、様子が何となくおかしい。
「相手にもされていませんね……」
確かに、撃たれても一顧だにしていない。だが、それは変だ。
「〈川根焙じ・改〉の装備って何だっけ」
「新開発の小型の重核子砲です。全然効かないですね……」
「効かないわね。おかしいわ」
重核子砲は少なくとも地球人類圏の武器では、次元転移砲に次ぐ威力を持つものだ。幾ら小型とはいえ、無視出来るとは信じがたい。
「こちら〈
まるはピンインに連絡を入れた。
『こちら〈
「そうよね。こちらの重核子砲も無視しちゃってるし、偉い自信よねえ?」
『……ほほう。重核子砲を無視ですか。凄いなあ』
おそらく、ピンインもまると同じ結論に達していた。
「乗員の件にしても、拿捕した後、乗員を降ろす場所とか時間があったとは思えないものねえ」
『人質を乗せたままですか、凄いなあ』
「どうしましょう、人質とられている状態で、重核子砲も効かないとか。なんとか攻撃できる?」
『まあ、ちょっと面倒臭いけど、やってやれなくは無さそうですよ』
通信波暗号化も何もせずにあけっぴろげにやっていた。もちろん
『そんな小さな船、4隻いても、何ができるというんだい?』
「小さな猫一匹がその船を掌握したんでしょ?大きさは関係ないわ」
そこに、羽賀参事官が割って入った。
『
『羽賀さんか。いまさら何を言っても無駄だよ』
『貴方に辛い思いをさせたのは申し訳ありません。ただ言葉で繕おうとかも思っていません』
『どうするつもりなんだい?技術的な方法では僕に勝てないでしょ』
『こちら〈
「
まるが通信で叫ぶ。
『全部、全部羽賀さんが悪いんだよ!』
「そんなの後で顔面を十字引っ掻きでもなんでもしてやればいいじゃない!」
『もう遅いよ!』
その刹那。
『
新たなもう一つの声がした。その声にまるは聞き覚えが有った。そして、
「土岐さん!」
『土岐さん……!』
§
「重力震反応、突如消えました」
『やっぱり、か』
まるも確信はなかった。
「どういう事?」
神楽が不思議そうに尋ねる。まるは自分の分かる限りで解説してみた。
「私も完全には仕組みは分からないけど、全部フェイクだったのよ。あの子は人を傷つけるつもりなんてない。悪ぶっていてもね。ラファエル副長、その付近に小型航宙船がいる筈よ。探査して拿捕して」
『まる。これは一体どうなっているんだ?』
間の抜けた土岐氏の通信が入る。
「土岐さんも羽賀参事官に呼び出されていたんですよね」
『ああ、ちょっと出遅れてしまったがね。先程羽賀君から連絡が入って、
「
『羽賀さん、何で土岐さんまで巻き込むんだよ。卑怯じゃないか……』
「何が卑怯よ、この身体は大人で頭脳は子供の迷惑猫が」
『おいおい、まる。何もそこまで言わなくても……』
「土岐さんも
『……すまん……』
何だか稼ぎ頭の長女が、父親と出来の悪い弟を叱りつけているような構図になっている。
『船長、航宙船を見つけました』
「なんなの?」
「多分、『事象のプロジェクター』みたいなもの。かな?
『だいたい合ってる……』
「自分の言葉で言わんかっ!」
『……ぐすっ……空間に、物理現象を投影する装置……スキャニング出来るものなら再現できるし、それが引き起こす物理現象まで投影できる。もちろん全部投影だから、投影装置を切れば存在は消えるよ……』
土岐氏もまるをなだめにかかる。
『まあ、誰も傷ついていないんだから』
「あのね土岐さん、猫は悪さをしたら、その場で叱らないとダメなのよ」
『お、おう。
通信の向こうで号泣する
『あーあ、泣かせちゃった。悪いお姉さんだ』
「私の方が年下ですっ」
羽賀参事官がそこに突っ込む。
『まる船長、後からの資料のお話ししましたよね。
「つまりあれね。私には知らない間に出来の悪い弟が出来ていた、という。そういう事?」
『そうですね。とにかく、今夜は会食の予定でしたよね』
そうだ。バタバタしていたのだが、今は上陸休暇の午後。予定では今晩、羽賀参事官との会食が予定に入っていたのだ。
「え、ええ。〈らせんの目〉太陽系の惑星〈星京〉のリストランテに予約が入ったままのはず」
『じゃ、この後のお話はそこで。土岐さんとピンイン、それから
§
場所は変わって、〈らせんの目〉太陽系、〈大和通商圏〉首都星の惑星〈星京〉。その夜側にある〈トキオ・EXA〉にあるリストランテでの晩餐会。
会食は和やかに行われた。
「ねえまる、貴女は人型プローブでの参加予定じゃなかったの?」
「だって、殿方二人が来るじゃない。面倒臭い人型プローブに入るくらいなら、この姿で良いかなって。メニューの方も都合付けて貰えたし」
「まあ、好き好きだけどね」
「それで、
土岐氏が心配そうに羽賀参事官に尋ねた。
「ああ、それなのですけど。此処は、彼の暴走を抑え込める保護者についてもらう事にしましょう」
「私には、あの子の世話は難しいです。手元に居てくれると嬉しいというのはありますが……」
「猫の事は猫にお任せしましょう。そのための会食でもありましたし」
まるはきょとんとしていた。
「お願いしますね」
「ちょちょちょちょちょっと待って、うちの船で預かるの?」
「まるさんでも良いのですけど。それでは彼を呼んだ意味が無いですよね」
まるが振り返ると、何だか面倒くさいことになったなーという顔をしたピンインがいた。
「ああ、はいはい。お話は
「
まるはふと気になった。
「ピンイン、『私の』って、研究所は政府の物よね?」
「買い取りましたよ。今は私の私物です。小さいですけど、私の研究所も国家級組織として認められました。ピンイン研究所の所長のピンインです。以後宜しく」
「はぁ……もうどうでもいいわ」
呆れるまるをよそに、土岐氏は
「で、どうするね」
「行く……行きます。僕に居場所が出来るのなら」
かくして、黒猫は遙か年下のヤマネコの舎弟となった。
§
数日後、オーバーホールが終わり、〈コピ・ルアック〉が帰ってきた。船員たちも続々と帰ってきて、再びにぎやかな船内が帰ってきた。
「んー、日常が帰ってきた気がするわ」
伸びをするまるをにこやかに見ていたラファエル副長だったが、通信を受けて顔色を蒼くした。
「船長、大変です」
「どうしたの?」
「アレクシアさんからの連絡ですが、食糧プラントが全部ダメになっているそうです。食糧倉庫もオーバーホール直後で空っぽです。どうしましょう」
どうやら、
航宙船長「まる」 吉村ことり @urdcat
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