非常に濃密な短編です。
ですが、世界設定を描き出す用語の数々は、すんなりと頭に入ってきて、とても豊かに情景を見せてくれます。
アイホートの雛の宿主になった主人公が、自らの意思で最強を目指すファンタジーなのですが、しかしそこはクトゥルフ。一筋縄ではいきません。
毎度毎度がけっぷちで、反則や裏技などあるわけもなく、それでも必死──そしてどこか淡々と、主人公は戦いを続けます。
ゲストキャラも濃い面々がそろっており、飽きるということがありません。
ぜひ、お読みになってみてください。
そしてあなたも、雛神さまの宿主になってみてはいかがでしょう?
星3文句なしの、素敵な作品でした!
主人公アインの中に宿る雛神様。
一蓮托生な関係だからこそ生まれるツンとデレがとても良いです。
共に生きる道があるかもしれないことをにおわせながら、二人で戦っていくその後を想像させる。
エピソード以降のデレが想像できて素敵です。
雛神様は母神様によって宿る相手を決められるから、アインに対しての『ツン』その理由も想像できてツンのバックボーンがしっかりできていると感じます。
オリジナルっぽい用語も出てきたので言わせてもらうと、これ短編で終わらせるのちょっともったいないくらい面白いですね。
アインの雛神様にも名前を与えて、その名前は誰が決めたのかとか、主人公が決めるのならそういうシーンも書いてほしい、読んでみたいです。
アインに恋を寄せる相手が出て来て雛神様がそれに対してやきもちやいたり「今更普通の女に恋しても~」的な、一蓮托生のゆえの関係――ツンデレを見たいと思える作品でした!