第30話 託児所殺人事件 13

「っ!」


 お兄さんの顔が青くなる。


 後退りをして兄から離れる。

 だがその際によろけて尻もちをつく。

 何故よろけたのか。

 それは自分のジーンズの裾を踏んでしまったからだ。


 


 ……兄よ。

 素晴らしい働きだった。

 流石私の助手。

 恐らくは偶然なのだろうけど。


『入口に走って行って、爽やかお兄さんの裾を踏んでよろける』


 それが次に指示しようとした内容だった。

 奇しくもその要望は適った形に合った。

 そして露呈した。


 そう。

 これが真相だ。



 この事件の犯人は、

 凶器は、穿だった。

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