第17話 ほめあげ会

 鋼鉄の迷惑と天、地、人の3人がこたつ布団を取っ払ったこたつを囲んでいる。

「えー、今日は、ご神体様に我々の良さを知って頂くためにほめあげ会をしたいと思います」

 天が言った。

「まぁ、メンバー1人ずつについて、いいところを山手線ゲームのように言っていくわけですね?」

 地が確認した。

「ダブりあり。ディスりなし。ですね?」

 人が言った。

「じゃあ、まずは天先生について」

「じゃあ、お先にどうぞ」

 と人が譲った。

「不動の教祖様」

「雨が降らせられる」

「まめに働く」

「どこのスーパーが安いか、よくチェックしてる」

「ごみの分別が真面目」

「魚をきれいに食べる」

「ちょっと待ちたまえ」

 突如、天が口をはさんだ。

「君たち、ほめてくれてるのは分かるんだけど、なんか、こう、みみっちくないか?」

「そうですか?」

「そんなつもりは」

「まぁ、もう、私はいいから、次、地についていこう」

「じゃあ、やはり、天先生から」

「うむ、頭がいい」

「アイデアマン」

「手先が器用」

「料理がうまい」

「おうちのトラブル解決マン」

「ミスターDIY」

「あのー、それ、宗教家じゃなくて家政婦になってません?」

 地がおずおずと口を開いた。

「ま、まぁ」

「大活躍してるんだからいいじゃないですか」

「じゃあ、人についていきましょう」

「ワシからか?」

「お願いします」

「話しかけやすい」

「頼み事しやすい」

「街でよく道を聞かれる」

「知らないお年寄りから何かもらう」

「人見知りする子供にいきなり懐かれる」

「見知らぬ子供にいきなりカメハメ波を打たれる」

「ちょっと待ってください。それ1回だけですよ」

「1回ありゃスゲーよ!」

「じゃあ、この辺でお開き……」

 そのとき、鋼鉄の迷惑がこたつをバンッと叩いた。

 3人は困惑した。

「え? どういうこと?」

「もしかして、ご神体様もほめて欲しいんじゃ?」

「そうなんですか?」

 天が鋼鉄の迷惑に聞くと、うなずくように前後に揺れた。

「やるしかないだろう」

「そうおっしゃるなら、天先生からお願いします」

「うむ、飛べる」

「高速回転できる」

「瞬間移動できる」

「硬い」

「重い」

「錆びてる」

 一瞬の間、そして、3人の頭にカナダライが降ってきた。

「昭和のコントか?」

 人がつぶやいた。

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