第4話 学徒、霊滅。後は神とかパンツとか3
「畜生……小テストまでやるなんて聞いてないぞ……こんな好待遇、求めてないっつーの」
その日の放課後。茜色に染まる校舎を、陵弥は悪態をつきながら一人歩いていた。補修時間の最後に置き土産のように渡されたプリントを、乱暴に鞄に突っ込む。
五時半を回った校舎は、郷愁を誘うような茜色に染まっている。ついと窓を見れば、学校は島の中央にある山の中腹に位置する為に、海に沈んでいく真っ赤な夕焼けがよく見える。
「……六年目、か」
季節は春も終わりの頃。昼間は汗ばむほどの陽気だが、日が沈み始めると、海風も相まってまだ肌寒い。なんとなく、風邪を引きやすい天気だと感じる。水平線に沈む夕日は、日に日に強く遅くなってきている。
この島は、太陽と空と海によって季節を変える。
ぼんやりと、陵弥は数秒間だけ、窓の外の光景を目に焼き付ける。
天の川のように煌めく海。燃える太陽。茜色の空と……半透明に刻まれた、巨大な裂け目。
六年間過ごしてきたタスク3の光景は、これが日常だ。
いや。この島を抜けても、あの巨大な裂け目は、もうどこに行っても日常の光景だ。
天の裂け目――クレバスを美しいと感じ、禍の襲来を凌いで、こうして普通に学校があり授業がある位には、ここは異常に順応している。
世界が未曽有の危機に晒されていることを忘れてしまいそうで、陵弥はこの平穏な空気が、少しだけ苦手だった。
靴音を鳴らして、陵弥は学校内のある場所へと足を運ぶ。
小学校から高校までの生徒を一身に受け持つこの学校だが、元々が島なこともあり、生徒は総じて二百を下回る。なので全体的に閑散としており、至って平凡な造りながら、昼間のように学徒が集まって他愛のない話ができるぐらいには、教室には空きがあった。
キィン、というバットがボールを捉える音がする。グラウンドから反響するヒットの音。妨げるような雑音は生まれない。
生徒の残っていないがらんどうの教室を横目で見ながら、陵弥は校舎を満たす静寂を靴音で解す。
階段を上り終えた所で、行き先の校長室のドアが開き、中から人が出てきた。
「それでは、失礼いたしました」
仰々しくお辞儀をして出てきたのは、ミリア=ラ=グレンデルだ。毅然と背筋を伸ばした彼女は、音を立てないよう丁寧にドアを閉め、そこで陵弥の存在に気づいた。
「「げ」」
ほとんど同時に顔を歪める。大げさに丁寧だったミリアの物腰は、一瞬で砕け散っていた。
何でここにいるんだ、とかお前もかよ、といった言葉をかけようとしたが、それより早く、ミリアはんべっと舌を出すと、肩を怒らせて足早に歩き去っていった。
無意識の自己主張のように靴音を鳴らして歩くミリアの背中、夕日に染まる金髪のウェーブと揺れるスカートを眺めて、陵弥は小さく鼻を鳴らした。
「薔薇のように情熱的なことで……ほんと、一々勘に障るなー」
どんよりとした感情を払拭するように、陵弥は一度頭を振って、ミリアが出てきたドアに向き直る。
以前は校長室だったそこは、今は別の用途で使用されている。名前を示す頭上のプレートには、校長室を和紙で覆い隠し、そこには子供の落書きのような蛇文字と瀟洒な達筆の二種類の文字で、こう記されている。
『バベル タスク3しぶ しぶちょー室(御用の際はノックを二回。どうぞと言われてから入室すること)』
括弧付きの達筆で書かれた注意書きに従って、陵弥は木製のドアを二回ノックする。
すぐに反応があった。ギシ、と椅子から立ち上がる気配の後、声が挙がる。
――おお、やっと来たか! 待ちくたびれたぞ、照り焼きチキンにマルゲリータ!
「違いますよ。俺です、天童陵弥です」
――ちぇ~、なんでぃ。期待して損したぞ~
――天童君、どうぞ、入ってください。
「失礼します」
子供の声に続いた女性の声に従って、陵弥は支部長室のドアを開ける。
特に変わったところがあるわけではない、ちょっとだけ高級感が漂う漆塗りの木製家具に黒皮のソファなどの、至って普通の校長室。
暖色の蛍光灯で明るい部屋には、二人の人物がいた。
その内の一人は、校長が座る柔らかいソファに、体をぐでぇっと預けていた。あまりに上体を沈めているものだから、入口の陵弥からは、唇を尖らせた子供の顔と、机の上に投げ出した子供の足が辛うじて確認できた。
革張りのソファにはあまりにそぐわない、小さな女の子だ。側頭部でツインテールのようにした、大きな赤茶の三つ編みお下げ。無邪気さを象徴するような猫目。ぴんと尖った小さな鼻、同じように小さな口は、今不満げにもごもごと揺れていた。
「む~。タイミングが悪すぎるぞ天童。わたしはお腹がぺっこぺこなんだぞ?」
「いや知りませんよ。というか学校に宅配ピザ頼む方がおかしいでしょ、職権乱用っすよ」
「自由でいいではないか~。これがゆとり教育というものだろう?」
「全然違います」
そういうのは自由でなく無秩序って言うんですよ、と口中で呟いて、陵弥は後ろ手で校長室のドアを閉めた。
顔を上げると、幼児の隣に整然と立つ女性と目が合った。美しいエメラルド色の髪を流す女性は、恭しくお辞儀をする。
「お騒がせしてすいませんね、天童君。いーすんさん、今はお腹が空いているので」
「いや、別にいいですよ、アテナさん。大体いつものことなので」
「でも安心してください。もうすぐ出来立てのピザが届きますから。ちなみに照り焼きチキンは私のチョイスです。いいセンスでしょう、天童君?」
上品な響きのある声には若干喜色が混じっていて、高い鼻筋がさらに得意げにぴんと上を向いている。
「いや……あの、アテナさんも率先して学校を私有物化するのはどうなのかと……」
「イエーイ! 今夜はピザ祭りだぞ! ピザパーリーだ!」
「ぴざぱ、ですね。略してピザパ」
「聞いちゃいねぇ……!」
威厳ある校長室の品格などお構いなしに騒ぐ幼女に、控えめながら胸の前で拳を作り、ふんすっと息を巻く礼譲。
霊装士を組織し、地上世界を守る為に尽力する組織『バベル』の人員であり、このタスク3の管轄を任されている二人。
ヘファイーストス、通称いーすんに、その助手兼世話役であるアテナ。
彼女たちは――地上に降り立った、神様だ。
比喩ではなく、本当に神様なのだ。
「ポテトは!?」
「もちろんLサイズ」
「ドリンクも!?」
「コーラのLサイズ、もちろんノン・ノンカロリー」
「イェース! そしてそしてエクストラ!」
「私はぴりりと刺激的なタバスコソース、いーすんさんは甘くてまろやかバーベキューソース」
「むっはぁーー!! 完っっ璧だ! 今宵、ここに
「いぇーい、です。ぱちぱち」
……本当に、神様なのだ。
天上界が堕ちてくる『大崩落』という災害が発生したとき。
数多のクレバスが生まれ霊障が発生する、それと同じタイミングで、天上界の住人であった神々が、この地上世界に降臨した。
元々、この『大崩落』という災害は、天上界で行われていた大戦に、神々が敗北したことに起因する。
大戦で生き残った神々は、世界もろとも堕天し、地上世界にやってきたのだ。
彼らはこの事態に責任と恥を感じ、人々と共に協力することを決意。大崩落という未曾有の事態は、予想された絶望よりも遙かにいい結果で収束するに至った。
曰く――空から降り注いだ幾本もの雷が、魔物の大群を薙ぎ払った。
曰く――水魔による大洪水を、町ごと浮上させることで乗り越えた。
他にも出てくる武勇伝は星の数。一騎当千、勇猛果敢。時間を操るだの重力を転ずるだの、荒唐無稽のような、空想のはずだった存在の大活躍。
彼らの活躍のお陰で、地上はこうして危機を凌ぎ、また一時の安寧を享受できるほどに復旧した。
大崩落を乗り越えた神々は、天上界を再び昇天させるため、地上世界を元の世界に戻すために結集。『バベル』という組織を作り、霊障に対抗できる人間を霊装士として迎え入れている。
霊障に犯された地表の六割を奪還するために躍進する、人と神々の連合。その主戦力にして、バベルの根幹を為す神々こそ――
「はぁぁ、もう辛抱たまらんぞぉ。早く、とく早くあのもっちもちの生地にかぶりつきたいのだぁ……じゅるり」
「わくわく、です」
――今陵弥の目の前でだらしなく表情を歪ませている、呆れるほどにゆるゆるなこの二人だ。
実物がくる前から既にトリップしかかっている二人に冷や汗を垂らしながら、陵弥はおずおずと質問した。
「えっと……いーすんさん。さっき、ここにミリアが来ましたよね」
「うむ、来たぞ。今日はなんと、ケーキを献上してくれたのだ! ロールケーキだぞ、それもひとロール! うははっ、なんと贅沢なことか!」
いーすんは机の引き出しをガサゴソと漁ると、丁寧にラッピングされたロールケーキを満面の笑みで持ち上げた。
こういう献上物があるので、引き出しの一つには常に保冷剤が入れてあるらしい。威厳も品格もあったものではない。仕立てのいい校長室の机が泣いている。
アイツもよくやるなと、陵弥は自嘲混じりの苦笑をこぼす。
「そっすか……まぁ、被らなくて良かったです」
呟いて、陵弥は鞄から幾つかのお菓子のパックを取り出した。購買でも買える至って普通のお菓子だが、それを見た瞬間、いーすんは机にへばりつくように身を乗り出した。
「おぉぉ! 天童、お前も相変わらず気が利くなぁ」
「ピザが来るまでの腹ごしらえにでもして下さい」
「うむうむ……む? むぅ、しかし……このままペコペコ状態でピザを待ちかまえるべきか、それとも一足先にヘブン状態に突入すべきか……うぅむ、悩みどころだー」
二つのお菓子を交互に眺めながら、いーすんは子供らしく唇を尖らせて真剣に考える。有史から人と共に存在した神らしいが、精神年齢は見た目の年齢に依存するらしい。元は概念のような存在で、この姿も、地上世界に来る際に自ら決めたそうだが。
天上界そのものの堕天はそれはもうショックな出来事だったが、地上に溢れる美景美食趣味嗜好の類は、神々にとって同列なほどに衝撃的だったらしい。
目の前の二人も、今やすっかりジャンクフードとスナックの虜だ。
陵弥の目に何を感じたのか、自分を見る視線に気がついたいーすんは、無邪気な笑みを浮かべてお菓子を抱きしめた。
「ふふん、天童よ。これはいつも通り、君のありがたい”ご厚意”として受け取るからな。くれぐれも変な勘違いはするのではないぞ」
「分かってますよ。俺も、手ぶらで来るのは気が引けるっていう、それだけです」
「ふむ……それなら、返ってくる答えが同じというのも、予想が付きそうなものだがな?」
「それは……」
無邪気な瞳に核心を突かれ、言いよどむ。
その躊躇の奥にある物も見透かされたように、いーすんは畳みかけるように宣言する。
「毎週、何度も言っておるだろう。お前を霊装士にするわけにはいかん」
「……そうですか」
分かってはいたものの、その言葉はやはり陵弥の胸に刺さり、心をチリチリとささくれ立たせた。
霊装士として認められない。学徒として有り続ける。
学徒はタスク3を守る為の人員であり……つまり陵弥は、これからもこの島に留まり続けるということだ。
陵弥は、何としてもこの島から出なければいけない、理由があった。
隠す気のない不満を見せられて、いーすんは「ふむ」と考え込むような仕草を作る。
「実はさっきミリアにも同じ話をしたのだがな。いい機会だ、改めて今の状況を教えてやろう」
そう言うと、隣にいたアテナに目配せをする。アテナもそれに応じると、エメラルド色の瞳を向けた。
「天童君、私たち神々が組織した、バベルの目的は分かりますか」
「当然……天上界を復活させることですよね」
「ええ。私たちは堕天にちなんで昇天と呼んでいますが、私たちの世界を再構築し、地上世界を元の世界に戻すことです。昇天を行う為には、世界中に溢れかえってしまった、世界を構築するエネルギー……今地上に様々な災厄をもたらしている、霊素を集める必要があります。さあ、そこでもう一つ質問です」
そう言ってアテナは、ピッと人差し指を突きつけた。
「その為に、バベルが行っている事は何でしょう」
「……クレバスの、確保」
「そのとーり」
続きはわたしが代弁すると言うように、答えはいーすんが引き継いだ。
「クレバスとは、世界の裂け目。霊障の発生源……つまりは、ちょー高濃度に圧縮された霊素が生み出す、ブラックホールのような物だ。そのままでは悪影響をもたらすクレバスだが、私たち神々は、霊素の扱いに長けている。クレバスのとんでもないエネルギーを、安定化させることができるのだ」
「正確には、神々が持つ神聖属性を付与するのですが……私たちは、そうして安定化させたものを『門』。逆に不安定になり、禍及び霊障の発生源となるものを『窯』と呼んでいます」
陵弥が頷くのを確認してから、アテナは続ける。
「各地で発生するクレバスを『門』として確保する、また現在猛威を振るう『窯』を『門』として奪還する。これが、バベルの至上命題です」
「まあ、とにかく『門』をいっぱい集めてゴー・トゥ・ヘブンということだな」
「……今の要約ですっごいふわふわっとした気がしますけど、まあ、分かりました」
何となく微妙な面もちで、陵弥はソファに身を凭れさせるいーすんに目を向けた。
「まあ、ここで大事なのが、新たなクレバスを確保するという目的だ。わたし達バベルは、霊素の密度や発生の条件を研究し、クレバスが発生する可能性の高い場所を算出した……それが”ここ”だ」
トン、と机を指で叩く。
こことはつまり、陵弥達の暮らすこの土地。『
「そう遠くないうちに、この島で確実にクレバスが開く。それに付随して、今のずんぐりむっくりした奴らとは比較にならない強力な禍も発生するだろう。クレバスを『門』として安定化させるには、どうしてもわたしたちだけでは心許ない」
「世界が激変して、未だ数年……行方の知れない神も多く、バベルの人員も常に困窮しています」
要するに『人手が必要だ』と、暗に陵弥に意識させる。
ぺり、と軽い音がする。待ちきれずにお菓子の箱を開けたいーすんは、チョコでコーティングされた棒状のお菓子をくわえて、続ける。
「バベルは、霊素の扱いに長けた人間を霊装士と呼び、共に戦っている。世界を正常に戻すには、霊装士の助けが必要不可欠で……名前こそ違えどお前たち『学徒』も、タスク3を守る霊装士に他ならん……くうか?」
「……いただきます」
陵弥は差し出された箱から一本を摘んで、かじる。溜飲が上がっているような気持ちが続いていて、味はあまり分からなかった。
ぽりぽりとかじる音を間隙として、いーすんは真剣な顔で結論を述べる。
「天童、お前に実力がないわけではない。元は見習いとしてここに配属されたお前たちだが、実力だけならとっくにはなまるで合格だ。だから言い方を変えよう……霊装士に認定してもいい。だが、お前をこの島から出すわけはいかん」
「っ……」
ぎゅ、と、袖を握る手に力が籠もった。
断崖絶壁に立たされたように、鼓動が浅く早い。視界がぎゅっと狭まっているような感覚のまま、陵弥は声を絞り出した。
「……いつまで、ですか?」
「分からん。クレバスはこの世界に新たに生まれた”自然災害”だ。だから本質的には、わたし達は地震を待っているのとそう変わらん」
「なら、俺がいなくても……数日でもいいんです。だから」
「無理だ。すまないな……だが、いつくるか分からない。ひょっとしたら明日かもしれない以上、学徒には常にここにいてもらわなければいけないのだ」
ぴんっ、と、もう一本取り出したお菓子を陵弥に突きつける。
「今の発言は、ちょっと問題だぞ。自分たちの役割を忘れるな。クレバスの危険性を軽視するな。『窯』となったクレバスが何をもたらしたか知っているだろう……吸血鬼の巣窟となったイギリス。南緯六十度以降を氷の
分かってる。言われなくても、生々しい体験として知っている。
霊や妖怪など不実在の存在が知覚され、伝承でしか語られなかった空想の存在が出現する。
世界の元である霊素が過剰に充満した世界は……人が想像しうるどんな世界でも、実現しうるのだ。
霊素の充満。世界の素の暴走。立て続けに起こる世界の革変によって生み出される、混沌とした
架空存在の冗談のような力の前には、人の魂など、蝋燭の火程度のか細さでしかない。
そんなの、自分だって、痛いほど感じて、身に染みている。
「でも……だったら、そのせいで俺はっ……”アイツ”は――ッ」
声を荒げる陵弥を遮るように――コンコン、と校長室のドアがノックされた。
「む。ようやくピザがきおったか! むう、お菓子を開けた直後とは、なんとタイミングの悪い」
いーすんはひらりと椅子から降り立ち、陵弥の眼前から姿を消す。
やりきれない重く堅い感情が、体を岩のように強ばらせる。気がつけば、拳は痛いほどに握り込まれていた。
俯き、唇を噛む陵弥。その肩に、歩み寄ったアテナの柔らかな手が乗せられる。柔らかな微笑が、陵弥をひたすらに案じていた。
「ふっふ~ん、照り焼きはぁ、もっちもちのてりってり~」
いーすんも、この冷え込んだ空気を解きほぐすように、殊更冗談めかして校長室を跳ね回る。
応接用の低い机にピザを広げながら、いーすんは顔を向けずに言う。
「……ここで、わたしたちにできることならば、最大限手を貸そう。わたし達は神様だ。鬼ではないのだぞ?」
低く堅い言葉は、それだけ真剣で、想いが乗った言葉であることを教えてくれた。
きゅ、と、肩に乗った手に力が籠もる。アテナの美しいエメラルドの瞳が、まっすぐに陵弥の目をのぞき込んでいた。
「天童君。あなたと”彼女”の境遇は、こちらも重々承知です……だからこそ、協力して、いずれ来る脅威に立ち向かいましょう」
「……そう、ですね」
流石、神様だ。
慈愛の心に溢れていて……優しさが、心に染みる。
「……さあさあ! ピザが来て役者も揃ったところで、天童も交えてピザパーリーと洒落込もうではないか!」
「ピザパです、天童君。いぇーい、ですよ」
「ありがとうございます……でも、いいです」
だが……優しさでは、救えないのだ。
俺が、救えない。
彼女は、救われない。
肩に乗るアテナの手を優しく払って、陵弥は校長室のドアを握った。
「寄るところがあるので、今日は失礼します。ありがとうございました」
「……うむ。これからも、よろしくな」
「……任せてください」
申し訳なさを浮かべたいーすんの表情に、陵弥もまた悲痛な表情を交わして。
静かに閉まった校長室のドアが、二者の視界を強引に断ち切った。
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