第3話
地下都市には一番街、二番街とこの中心路と呼ばれる七番街も含めて七つの街があるが、一番街は中の者以外は誰も出入りできないという鎖国のようなことをしており、二番街はその一番街に占領され、植民地のような有様。
となると、七番街も除外すると、四つの街――七番街が嫌だとしたら、四つ候補が挙げられるが。
いや、六番街も駄目か。あまりにも環境が厳しいらしく、六番街出身者じゃなきゃ無理だとか。『山』とも言われる街だが――地下都市の街は、七番街以外は数字の番街だけじゃなく、他の呼び名がある。何で、そんな名がついたのか。単純明快、その街に森が広がっていたり、平原が広がっていたり、山があったり、湖があるらしいとか、そういう理由で名付けられるからだ。
地下にどうやってそんなものを築いたのか分からないけれど、ともかくある。そして、三番街は『森』と呼ばれる。
――『森』、昔は四番街に占領され、二番街のような有様になっていた街だが、現在はある者達が奪還し、独立を果たした。現在は、元三番街の住民を中心に人々を審査の上で引き入れているようで、情報屋から聞いた話だと街のありかたも悪くなかったと聞く。
下手したら、地下都市で現在一番平和かもしれない――とも。
そんな街なのに、私達は行けない。
というか、私のせいで行けない。
「イチルが行けないならアタシも行かない」
ノヴァは、私の心を読んだかのように言った。
「……分かるよ、イチルの考えてることぐらい」
「バカだって言いたいの」
「それだけ付き合いが深いんだよ」
「………」
さらりと恥ずかしいこと言うな。
だが、ひねくれたツッコミも返せなかった。素直に私は、頬を赤らめてぼそりと礼を言った。
「……ワンモア」
「絶対言わない」
ノヴァがニヤリと笑みを浮かべて言っているようだ。調子に乗らしたか。もう二度と言わないのを決めて、ノヴァにそのまま手を引っ張られる。
look… 蒼ノ下雷太郎 @aonoshita1225
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