せっかくですので読んだ中から好きなエピソードをご紹介。
粒いっぱいのショートショートですが、これは特に読んだ方がいいよってものをお先に挙げておきましょうヽ(・ω・`)ノ
『無賃乗車』
――たし蟹。
『ささやくもの』
致命的な失態系ホラー。
『差し入れる』
怖い話がコミカルな話に。
『無関心』
強メンタル。
『渡れない』
なんの川かわかるかな?
『石が泣く』
力技。
『返却』
地味に主人公に対してひどい話。
『餌付け』
不意打ち系ホラー。
『空穂舟』
キャッチ&リリース。
『名物』
私も囲碁はできるので。
『最初で最後』
出産前の妊婦さんの話。その心理が怖い。
――ご紹介は以上です。
どれも数分で読めますのでお薦めです。
古めかしい話から現代風の話。
詩的な話からことわざ系オチの話などもございました。たとえば『つめきり』などは夜の爪切りの話ですね。
楽しませて頂きました。
日常の中にふと現れる、奇妙なモノ、奇怪な出来事。「こんなことがあった」という、ただそれだけで、理由も正体もよくわからない怪異。妖怪とも幽霊とも名付けがたい、得体のしれないモノ。……そんな話が好きな人にはたまらない作品集です。
話数も多いので、個人的におすすめな話をいくつか挙げますと、
恐怖度高めの
「空穂舟」「残念無念」「異物混入」「惑わされる」「鬼一口」や、
こんなさりげない怪異に出会ってみたい…! と思わされる
「満員電車」「火」「邪魔される」「渡る」など。
こういうこと本当にありそう、と思う「応募済み」や、
妖怪譚的な「手形」も好き。
何度も読み返して噛み締めたい、ツボに嵌る話がたくさんあります!