そこにいる
いつもの道を帰っている折、視線を感じて顔を上げた。
すると道沿いの家の空いた窓から、品の良さげな老婆が顔を覗かせているのに気がついた。
別段、彼女がこちらを凝視していたというわけではない。なんとなく外を眺めていたら突然目が合ってしまった。おおよそそんな雰囲気である。
そのままぷいとそっぽを向くのもよくない気がして会釈したら、あちらもものやわらかく笑んで、目礼を返してきた。
どうも、それで気に入られてしまったものらしい。
以来ふと見上げれば、大抵どこか家の開いた窓から、あの老婆がこちらを見ている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます