降り積もる

 深夜、コンビニに行こうとドアを開けたら、部屋の前の廊下一面に砂が積もっていた。

 積もり具合は均一でなく、低いところで数cm、高いところで数十cm。それはまるで砂丘のミニチュアのようだった。


 夕方帰ってきた時は、廊下はこんなになってなかった。

 すると砂は私が帰ってから数時間の間に降り積もった事になる。けれどマンションの5階の廊下に、そんな現象があり得るだろうか。

 考え出したら怖くなって、慌てて扉を閉めた。鍵だけでなくチェーンもかけた。



 翌朝。

 恐る恐るドアを開けると、砂はもうどこにもなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る