見つめる

 近所の神社での話である。

 夜になると、境内けいだいに不審者が出るようになった。

 作業着のようなものを着込んだその男は、ただぼんやりと石灯籠を見つめているのだという。

 

 不審に思って調べてみると、その石灯籠の火袋の部分から、油紙に包まれた骨のようなものが出た。

 警察によると、男性の喉の骨であったという。事件性があるとして一応の捜査が始まったが、発端が発端であるだけに一向にはかどらないようだった。

 ただ、以来男が現れる事はなくなった。

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