出る
この家には幽霊が出る。
こんな事を言えば正気を疑われてしまいそうだけれど、本当の話なのだ。
私がひとりきりでいると、決まって男の子が現れる。いつの間にか部屋の片隅に立っていて、そうしてじっと、暗い瞳で私を見る。気味は悪いが放っておけばいつの間にかいなくなる。
姿形に見覚えはない。勿論面識だってない。けれど恨めしげな目で彼は見る。ただ静かに私を見る。
なんとも理不尽な話だと思う。
どうしてあの男の子は出るのだろう。どうして、あの男の子が出るのだろう。
私が殺したのは、あの子じゃないのに。
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