依存する

12月31日

 宝くじが当たった。

 先週庭に埋めたアレのお陰だろう。望外の幸運だった。

 しかしアレにはあまり頼ってはいけないと聞いている。この一度で終わりにしておこうと思う。

 


1月5日

 年始から周囲がうるさい。大金が入った所為せいだろう。

 私の邪魔をするならひどい目に遭えばいいと思った。すると最近は静かだ。アレが私の願いに感応したのかもしれない。

 しかしアレに頼り過ぎてはいけない。気をつけようと思う。



1月7日

 どこから聞き込んだのか、宗教狂いの叔母が乗り込んで来た。大めにに揉める。

 アレに任せたらぴたりと静かになった。

 だが家の中から、かすかに獣のにおいがする。これっきりにしておこうと思う。



1月9日

 警察が来た。叔母の事で話を聞きたいと言う。

 静かになった。



1月9日

 追記。

 獣のにおいは少し強くなった程度だった。どうやらアレの返しはそれほどきつくないらしい。

 だからあと一回くらいは大丈夫。きっと大丈夫。

 多分、大丈夫なはずだ。




 月 日





 月 日





 月 日





 月 日





 月 日





 月 日





 月 日



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る