インターネットには怖い警察がたくさんいて、その中でも怖さの双璧の一つの壁をなすという噂なのがSF警察、であるが、この作品には、じゃあ仕方ない、そういう警察が来たら対戦車砲で迎撃しましょうねという構えがあり、しかしこれもまた、SFの妙味であると俺はそう言いたい。
人間はPBに巻き込まれればペンギンと精神が同化するし、ペンギンはかわいいし、たまたま都合よくペンリンガルだって、存在する。なんか文句あるか。
俺にはひとつも文句はない。
ただ、心の中で突っ込みを入れるだけだ。
それは国家的な暴力機構として、ではなくて、愛のある、優しい、微笑みにみちた、そういう突っ込みだ。
作中に突っ込み役が存在しないというのは、読者の突っ込み力を信用しているということで、同時に読者に適切に(というのは、怒りではなく、愛で)突っ込ませるための文章を構築しなければならず、これはかなりの高等技術だと思うけれど、今のところ、破綻なく成功しており、俺は虚空に裏拳を入れながら、この小説を楽しむことができている。
それはとても幸せなことだ。
君も俺と一緒に、虚空になんでやねんの拳を、叩き込んでみないか。
追記:8話の大樹クンの活躍は、かっこういいですね。
サスペンスもちゃんとあるが、まるで童話のように、「いつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ」という世界が想像できる、良い話でありました。