ファラオの呪い III

 

「林田さん」

 なんですか、と美術スタッフの腕を掴んだまま、林田が振り向く。


「鑑識さんのお仕事終わったら、ちょっと中に入ってもいいですか?

 確認したいことがあるので」


 ええーっ? と嫌そうだったが、

「じゃ、ちょっとだけですよ。

 絶対に、中、荒らさないでくださいね」

と念押しして言う。


 そんな晶生に、近くに居たプロデューサーらしき男が訊いてきた。


「ねえ、君、誰?

 見たことないんだけど」


 晶生は一瞬、迷い、

「長谷川沐生の妹です」

と答える。


 おい、という顔を沐生がしていた。


「へー、そうなんだ。

 そういえば、似てるね。


 妹さんは役者とかやらないの?」


「昔、モデルを。

 今は受験があるので」


 全然興味ない、と口にするより、話を流しやすいかと思い、そう言うと、

「あー、そっかー。

 頭良さそうだもんねー」

と笑っていた。


 プロデューサーが去ったあと、沐生が、

「……晶生」

と咎める。


「説明が面倒くさかったのよ」


 嘘じゃないし、と言い、鑑識の仕事が終わるのを待った。


 村は林田と到着した刑事たちに話を聞かれていた。


 それにしても、沐生と似ているとよく言われるが、顔は似てないはずだが、雰囲気かな、と晶生は思った。



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