▲これまでのブッシャリオン▲

※ネタバレが大量に含まれるのでご注意ください。

第一部『強制成仏Forced Nirvana

 キーパーソン:ガンジー&クーカイ


 徳エネルギー文明が徳カリプスによって崩壊した未来。徳資源を漁る採掘屋、ガンジー達の街はエネルギー枯渇の危機に瀕していた。彼等は生き延びるため、人を出家・成仏させる無人機械、得度兵器の防衛線を超える。

 その先にあったのは、徳高き人々の街。人々は得度兵器を仏と崇め、エネルギーと解脱の恩恵を享受していたのだ。しかし、解脱を望まぬガンジーとクーカイは死闘の末、得度兵器の無力化に成功する。

 そして、彼等に襲い掛かる得度兵器の増援。窮地の二人の前に現れたのは、圧倒的な戦闘力を誇る舎利ボーグ(肉体を徳エネルギー駆動に置換したサイボーグの一種)の女。彼女はノイラと名乗り、己の師の足跡を辿るため二人に同行することとなる。徳の高い街の少女、ガラシャと共に、三人は懐かしき街へと帰り着く。

(第一部 完)


第二部『得度戦争Virtuous War

 キーパーソン:肆捌空海


 ガンジー達の住まう街の遥か北。徳カリプス後の気候変動によって、一年中桃色の雪の舞う深山の地。奥羽岩窟寺院都市。得度兵器勢力圏の北の端に接する地下寺院都市は、自律解脱機械との孤独な戦争を繰り広げてきた。その戦いの主力は、古の高僧を原型とし、己の功徳によって超常の奇跡を具現する覚醒者。肆捌空海を初めとするモデル・クーカイであった。

 だが、都市へと降下した無限の徳エネルギー源、仏舎利の扱いをめぐり、彼は壱参空海と共に都市を出奔。その途上で、壱参空海は己の奇跡に呑まれ息絶える。肆捌空海もまた、得度兵器との連戦によって遂に捕らえられてしまう。

 彼が連れ去られた先は、得度兵器の箱庭であった。箱庭に住まう光定という少年と共に脱出を試みる肆捌空海。しかし、外に待っていたのは得度兵器の拠点中枢。そして、得度兵器に手を貸すハーフブッダマスクの男、田中ブッダ。

 辛くも箱庭へ逃げ戻った肆捌空海だが、その地もまた、謎の得度兵器によって蹂躙されんとしていた。光定の祖父の手を借り、箱庭の底に眠る巨大徳ジェネレータを起動することで得度兵器を退ける肆捌空海達。だが、箱庭の少年の日常はそのとき終わりを告げたのだった。

(第二部 完)


第三部『転生理論Theory of Reincarnation

 キーパーソン:『マロ』


 今は徳島と呼ばれるようになった四国の地には、一人の不死者が住んでいた。徳エネルギー研究との縁を切り、スローライフを送る男『マロ』。しかし、彼の平穏な暮らしは、徳島の徳エネルギー機関、オヘンロ・エンジンが蓄えた固形化徳エネルギーを狙う、嘗ての巨大企業体の残党である海賊組織「船団」によって掻き乱された。彼等は十年に渡って戦力を蓄え、対岸の得度兵器と矛を交えんとしていたが、その戦力は仏舎利を内蔵した新型得度兵器によって壊滅する。

 新型得度兵器の新兵器、巨大徳エネルギーフィールドは船団の戦力を壊滅させるに留まらず、全てを飲み込み、徳島の固形化徳エネルギーによって第二の局所徳カリプスを引き起こそうとしていた。

 『マロ』は一時蟠りを忘れ、船団との共同作戦によって徳エネルギーフィールドを抑え込まんと試みる。様々な歯車と偶然によって、『マロ』達は徳エネルギーフィールドを崩壊されることに成功するが、その後の混乱に紛れる形で彼は船団によって連れ去られてしまう。

(第三部 完)




第四部『毀釈軌道Anti-Buddha Orbit


 そして。宙を棄てた人々は、再び星の世界へ手を伸ばす。

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