千里眼より、読心よりも残酷な「ステータス」

よくマンガなどで目にする、「他人の心が見える・聞こえる」キャラクター。彼 / 彼女らは人間の黒い一面に打ちひしがれるのがパターンだが、本作の主人公はそれよりも一層つらい立場に置かれている。
ステータス。
他人の底の底まで見えてしまう力。
単に心の声が聞こえるだけなら「誰にだって気の迷いはある」と受け入れることもできるだろう。
しかしこの力には、そういう“逃げ場”はない。
親の、友人の、恋人の、どうしようもない現実を突き付けてくる。

ほの暗い雰囲気から始まったこの物語が、どんなふうに着地するのか。読めばきっとあなたも楽しみになるはずだ。