概要
温めますか。S級が、はい、と答えた。
就活全落ちの大学四年、蓮見透。時給が地上の三倍という理由だけで応募した夜勤先は、新宿大深度ダンジョンの三十階にあるコンビニだった。
初日、前任の夜勤は逃げていた。店に残ったのは俺一人。本社からの電話は「売上不足。九十日後に閉店」。
そして二十二時五分、血の匂いを連れて最初の客が来た。S級探索者。俺は言った。「温めますか」。
三十一階から下は、S級以上しか降りられない深層。夜にそこへ行く者と、そこから戻る者だけが、この店の客になる。
戦えない俺にできるのは、マニュアルどおりに「いらっしゃいませ」と言い、温め、袋に入れ、ポイントカードを勧めることだけ。
なのにS級たちは、俺を恐れない店員を「何者だ」と言い始める。探索者掲示板には「三十階のコンビニの店員、何者?」のスレが立つ。
毎晩鮭のおにぎりを
初日、前任の夜勤は逃げていた。店に残ったのは俺一人。本社からの電話は「売上不足。九十日後に閉店」。
そして二十二時五分、血の匂いを連れて最初の客が来た。S級探索者。俺は言った。「温めますか」。
三十一階から下は、S級以上しか降りられない深層。夜にそこへ行く者と、そこから戻る者だけが、この店の客になる。
戦えない俺にできるのは、マニュアルどおりに「いらっしゃいませ」と言い、温め、袋に入れ、ポイントカードを勧めることだけ。
なのにS級たちは、俺を恐れない店員を「何者だ」と言い始める。探索者掲示板には「三十階のコンビニの店員、何者?」のスレが立つ。
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