概要
王国が失ったのは、掃除係ひとり……のはずだった
聖獣たちには、誰にも触らせない場所がある。
竜の逆鱗、鳳凰の尾羽の付け根、古狼の首の後ろ。
そこを毎晩、当たり前のように撫でていたのは、王宮の聖獣舎で夜だけ働く掃除係のテオだった。
「掃除ごときに聖獣使いと同じ給金を払う理由がどこにある?」
新しい聖獣舎の長にクビを言い渡された翌朝、聖獣舎は空っぽになっていた。
石板に刻まれていたのに、誰も読まなかった一文。
――聖獣の寝床を整える者を、王家は終生厚遇すべし。
「人の子よ。我の首に触れて生きている者は、千年でお前ひとりだ」
千年生きた古狼ハティに番(つがい)と呼ばれ、手の甲に紋が浮かび、テオは聖獣の力を借りられるようになる。
……のだが、ほかの聖獣たちも「次は自分の番だ」と言って聞かない。
一方、聖獣を失った王国では、井戸
竜の逆鱗、鳳凰の尾羽の付け根、古狼の首の後ろ。
そこを毎晩、当たり前のように撫でていたのは、王宮の聖獣舎で夜だけ働く掃除係のテオだった。
「掃除ごときに聖獣使いと同じ給金を払う理由がどこにある?」
新しい聖獣舎の長にクビを言い渡された翌朝、聖獣舎は空っぽになっていた。
石板に刻まれていたのに、誰も読まなかった一文。
――聖獣の寝床を整える者を、王家は終生厚遇すべし。
「人の子よ。我の首に触れて生きている者は、千年でお前ひとりだ」
千年生きた古狼ハティに番(つがい)と呼ばれ、手の甲に紋が浮かび、テオは聖獣の力を借りられるようになる。
……のだが、ほかの聖獣たちも「次は自分の番だ」と言って聞かない。
一方、聖獣を失った王国では、井戸
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