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概要
訳し切ったはずの一文が、三年後に戻ってくる
ベトナム語の登録通訳人・久瀬遥(34)は、取調室、救急の処置室、入管の審理室を渡り歩く。彼女の仕事は、言葉を一字変えるだけで人の自由と命が変わる場面で、「訳す・止める・原語のまま置く」を一瞬で選ぶこと。正確に訳せば誰かが助かり、正確に訳しても誰かが傷つく。三年前、彼女が訳し切った一文が、いま控訴審で争点になろうとしていた。本人は、まだ知らない。
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