概要
姉が死んで三日後、村中全員の骨が腐り始めた
姉の身体からは、不思議な香りがした。
金木犀とも桜とも違う。熟れた野の実を、冷たく湿った古木の奥に埋めたような、甘く重たい香りだった。いつまでも嗅いでいると、身体の芯までじんわり温まってくる。
母は金のために姉を西側の離れに閉じ込め、集落の人々に香りを嗅がせていた。
最初に訪れたのは、重い病を患った老人だった。その後、長年咳に苦しむ男や、足腰の弱った女がやって来た。香りを嗅げば厄が落ち、運までよくなるという噂を聞きつけ、遠くから訪ねてくる者もいた。
彼らは金を持って家を訪れ、帰る頃には命拾いでもしたかのような顔をしていた。姉の香りを褒め、その不思議な力を会う人ごとに語って回った。
姉は日に日に痩せていった。それなのに、身体から漂う香りだけは、ますます濃くなっていった。
金木犀とも桜とも違う。熟れた野の実を、冷たく湿った古木の奥に埋めたような、甘く重たい香りだった。いつまでも嗅いでいると、身体の芯までじんわり温まってくる。
母は金のために姉を西側の離れに閉じ込め、集落の人々に香りを嗅がせていた。
最初に訪れたのは、重い病を患った老人だった。その後、長年咳に苦しむ男や、足腰の弱った女がやって来た。香りを嗅げば厄が落ち、運までよくなるという噂を聞きつけ、遠くから訪ねてくる者もいた。
彼らは金を持って家を訪れ、帰る頃には命拾いでもしたかのような顔をしていた。姉の香りを褒め、その不思議な力を会う人ごとに語って回った。
姉は日に日に痩せていった。それなのに、身体から漂う香りだけは、ますます濃くなっていった。
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