概要
求婚を訳したら、俺が求婚したことになった。
「訳が長い。俺が一言しゃべると、お前は十言しゃべる」
精霊と人のあいだを訳す通訳、エリオ。
彼は六年間、勇者ダリウスの暴言を“意訳”し続けてきた。
「さっさと寄越せ。精霊なんて道具だろ」――その一言を毎月、精霊王への感謝の言葉に置き換えて。
だがダリウスは「無駄だ」とエリオを解雇し、辞書どおりにしか訳さない安い直訳官を雇う。
「直訳させるな」
三度の警告を、勇者は三度とも笑った。
そして迎えた更新の儀。勇者の言葉は一字一句そのまま精霊王に届いた。
凍りつく泉。精霊王が問う。
「六年のあいだ、我に礼を述べてきたのは誰だ」
通訳は問われた原文を偽れない。
その瞬間、勇者パーティーの加護は一つ残らずエリオに移った。
帰り道。奴隷商の檻の奥から、誰もが魔物の唸り声だと思って
精霊と人のあいだを訳す通訳、エリオ。
彼は六年間、勇者ダリウスの暴言を“意訳”し続けてきた。
「さっさと寄越せ。精霊なんて道具だろ」――その一言を毎月、精霊王への感謝の言葉に置き換えて。
だがダリウスは「無駄だ」とエリオを解雇し、辞書どおりにしか訳さない安い直訳官を雇う。
「直訳させるな」
三度の警告を、勇者は三度とも笑った。
そして迎えた更新の儀。勇者の言葉は一字一句そのまま精霊王に届いた。
凍りつく泉。精霊王が問う。
「六年のあいだ、我に礼を述べてきたのは誰だ」
通訳は問われた原文を偽れない。
その瞬間、勇者パーティーの加護は一つ残らずエリオに移った。
帰り道。奴隷商の檻の奥から、誰もが魔物の唸り声だと思って
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