概要
弟ばかりひいきする両親。
十二月三十一日、大晦日の夜。
家族四人ですき焼きを囲んでいた。鍋に残っていた最後の黒毛和牛を取ろうと箸を伸ばすと、母が先に肉をつまみ、弟の翔太の器に入れた。私の器には、代わりに白菜が盛られた。
「翔太は仕事で疲れてるんだから、しっかり食べなさい。紗季は野菜でいいでしょ。ダイエット中なんだから」
伸ばしかけた箸を引っ込め、白菜を口に運んだ。
昔から、家で何かいいものを買うと、真っ先に翔太のものになった。父も、祖父から受け継いだ家は将来翔太に継がせるつもりで、家のお金は跡取りのために使うべきだと言っていた。
翔太は得意げに肉をつまみ上げた。
「ありがと、母さん。やっぱ俺には甘いよな」
テーブルに置いていたスマホが震えた。
【家族によるえこひいき行為を検知しました】
家族四人ですき焼きを囲んでいた。鍋に残っていた最後の黒毛和牛を取ろうと箸を伸ばすと、母が先に肉をつまみ、弟の翔太の器に入れた。私の器には、代わりに白菜が盛られた。
「翔太は仕事で疲れてるんだから、しっかり食べなさい。紗季は野菜でいいでしょ。ダイエット中なんだから」
伸ばしかけた箸を引っ込め、白菜を口に運んだ。
昔から、家で何かいいものを買うと、真っ先に翔太のものになった。父も、祖父から受け継いだ家は将来翔太に継がせるつもりで、家のお金は跡取りのために使うべきだと言っていた。
翔太は得意げに肉をつまみ上げた。
「ありがと、母さん。やっぱ俺には甘いよな」
テーブルに置いていたスマホが震えた。
【家族によるえこひいき行為を検知しました】
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