概要
十八歳に戻った私は、あの日の薔薇をもう渡さない
死ぬ間際になって、ようやく分かった。
私はずっと、一人の男を愛し続けてきた。けれどその人にとって、私は最後まで一番にはなれなかった。
十八歳の春。高校を卒業したばかりの私は、十二本の赤い薔薇を抱えて朝倉颯真の前に立った。
「颯真、好きなの。友達としてじゃなくて」
彼はしばらく私を見つめたあと、ひどくあっさり答えた。
「……じゃあ、付き合う?」
あの頃の私は、その一言だけで世界中の幸せを手に入れた気になっていた。
後になって振り返れば、あの日の「付き合う?」に恋愛感情がどれほど含まれていたのかは分からない。
その夜、白石絢香は颯真の兄、朝倉雅臣からの告白を受け入れたばかりだった。颯真は長いあいだ絢香に想いを寄せていた。それでも彼女が選んだのは、兄のほうだった。
私はずっと、一人の男を愛し続けてきた。けれどその人にとって、私は最後まで一番にはなれなかった。
十八歳の春。高校を卒業したばかりの私は、十二本の赤い薔薇を抱えて朝倉颯真の前に立った。
「颯真、好きなの。友達としてじゃなくて」
彼はしばらく私を見つめたあと、ひどくあっさり答えた。
「……じゃあ、付き合う?」
あの頃の私は、その一言だけで世界中の幸せを手に入れた気になっていた。
後になって振り返れば、あの日の「付き合う?」に恋愛感情がどれほど含まれていたのかは分からない。
その夜、白石絢香は颯真の兄、朝倉雅臣からの告白を受け入れたばかりだった。颯真は長いあいだ絢香に想いを寄せていた。それでも彼女が選んだのは、兄のほうだった。
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