概要
竜臭くて結構。城ごと、その匂いになります
「竜臭い女は妃にできん。婚約は破棄だ。竜も、城から出せ」
王家の竜騎士七年。殿下は鼻をつまんでそう仰った。
「竜臭い、ですか。では殿下、竜は今日から城で飼います」
竜は乗り手の寝床の真上で眠る。七年、私が週の半分を山の竜舎で寝ていたのは、匂いを嫌う婚約者のためだった。婚約が無くなったので、掟どおり城の寝床で寝る。だから黒竜コハクの巣は、今夜から王城の屋根になった。
「降ろせ!」「掟です。それに条約で、乗り手を城から出した国は竜の庇護を失います。陛下がお読みになった条約です」
翌朝、殿下の閲兵式で軍馬が一頭も動かなかった。屋根の竜が怖いのだ。
その夜、厨房から火が出た。竜は堀の水を口いっぱいに含んで、屋根から一吹きで消した。
「山の竜舎に居たら、城は焼けていた」と陛下が仰り、殿下は「
王家の竜騎士七年。殿下は鼻をつまんでそう仰った。
「竜臭い、ですか。では殿下、竜は今日から城で飼います」
竜は乗り手の寝床の真上で眠る。七年、私が週の半分を山の竜舎で寝ていたのは、匂いを嫌う婚約者のためだった。婚約が無くなったので、掟どおり城の寝床で寝る。だから黒竜コハクの巣は、今夜から王城の屋根になった。
「降ろせ!」「掟です。それに条約で、乗り手を城から出した国は竜の庇護を失います。陛下がお読みになった条約です」
翌朝、殿下の閲兵式で軍馬が一頭も動かなかった。屋根の竜が怖いのだ。
その夜、厨房から火が出た。竜は堀の水を口いっぱいに含んで、屋根から一吹きで消した。
「山の竜舎に居たら、城は焼けていた」と陛下が仰り、殿下は「
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