概要
はい、点呼をとります。――勇者様は、お呼びしておりません。
前世は日本の旅行会社の添乗員。異世界に生まれ直したトーマは、勇者一行の「旅程係」として、宿の手配から峠の天気、通行証の更新、聖女の靴擦れまで、旅のすべてを段取りしてきた。授かったスキルは【点呼】。返事をした仲間の居場所と無事が分かる、ただそれだけの力だ。
「点呼しかできない男に、勇者の旅の分け前はやれない」。辺境の町で追放されたトーマは、引き継ぎの行程表を突き返され、誰も引き受けない依頼を受ける。魔狼の群れが下りてくる山の村から、老人と子供を含む百十二人を、五日のうちに町まで連れてくること。
一方、旅程係のいなくなった勇者一行は、閉まった門の前で野宿し、期限の切れた通行証で関所に止められ、王家の新しい手配係は一番高い宿を取り続ける。冬至の出陣式まで、あと十八日。
トーマはただ、お客様を
「点呼しかできない男に、勇者の旅の分け前はやれない」。辺境の町で追放されたトーマは、引き継ぎの行程表を突き返され、誰も引き受けない依頼を受ける。魔狼の群れが下りてくる山の村から、老人と子供を含む百十二人を、五日のうちに町まで連れてくること。
一方、旅程係のいなくなった勇者一行は、閉まった門の前で野宿し、期限の切れた通行証で関所に止められ、王家の新しい手配係は一番高い宿を取り続ける。冬至の出陣式まで、あと十八日。
トーマはただ、お客様を
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