概要
名のない手紙が心の中に、ずっと、仕舞われている。
肺を病んでからというものどうにも収まりが悪く、日々の中で、自分のその後を考えてしまう時間が増えたものだから、少しずつ押入れを広くしていこうと整理していた矢先、汚れ一つない、真っ白な便箋が仕舞われているのを見て、ギュッと胸が締め付けられた。
夜が長いのは、きっと貴女のせいでしょう。
二つ上の彼女に出した手紙はそんな書き出しだった。一字一句、何を書いたかしっかりと覚えているのは、最後の一文を認めるまでに何度も筆を止めては走らせてを繰り返していたからである。
それでも返事など期待していなかった。いや、ない方がよかったとさえ思っていた。彼女は私に対して母性を見せる事はあっても、艶やかな一面はひた隠しにしていた。歯牙にもかけず燃やしてくれた方が幾らか気が楽だったろう。それが、手紙を出して三日も経たずに家に届けられていたのだ。
夜が長いのは、きっと貴女のせいでしょう。
二つ上の彼女に出した手紙はそんな書き出しだった。一字一句、何を書いたかしっかりと覚えているのは、最後の一文を認めるまでに何度も筆を止めては走らせてを繰り返していたからである。
それでも返事など期待していなかった。いや、ない方がよかったとさえ思っていた。彼女は私に対して母性を見せる事はあっても、艶やかな一面はひた隠しにしていた。歯牙にもかけず燃やしてくれた方が幾らか気が楽だったろう。それが、手紙を出して三日も経たずに家に届けられていたのだ。
ありがとうございます。
何かしましようか? 靴舐めたりできます。ぺろぺろ。
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