概要
「迎えに来るのは向こう。魔女が男を迎えに行くなんて、百年早いの」
森に住む不死の大魔女ベルタのもとには、毎年同じ日に手紙が届く。差出人は、七十年前に森で迷子になった少年エミル。書いてあることは、いつも同じ。「来年こそ、迎えに行く」。
迎えに来るのは向こう。そう言い張って、ベルタは毎年、冗談の無理難題を書いて返してきた。使い魔のカラスは、その台詞を七十年聞かされている。
七十通目。封筒からは湿布の匂いがして、字はずいぶん震えていた。今年も返事を書こうとして、大魔女は生まれて初めて、字を書き直す。
迎えに来るのは向こう。そう言い張って、ベルタは毎年、冗談の無理難題を書いて返してきた。使い魔のカラスは、その台詞を七十年聞かされている。
七十通目。封筒からは湿布の匂いがして、字はずいぶん震えていた。今年も返事を書こうとして、大魔女は生まれて初めて、字を書き直す。