概要
自分で作った機械に、好きかどうかを訊いた。返事はなかった。
「先輩の顔で恵那さん口説くのは無理がありますよ」
二十二の秋、二次会の席だった。小林恵那の鞄を引き寄せた先輩に、会計の紙を持った山内が、いつもと同じ丁寧語で言った。顔が赤かった。声は大きくなかった。
恵那の部屋のノートパソコンには、名前も付けていない仕組みがある。言葉を点にして並べ、近い順に返すだけ。それなのに、人が次に何をするかはかなりよく出た。「誰にも言わないでね」と頼めば、言わない相手ができる。恵那には、そういう順番が先に見える。
その夜、恵那は画面に話しかけた。「ねえ。これって、好きってことなのかな」。声は返ってこなかった。四十秒たって、切れた。
十一月の終わり、封筒の箱を開けながら山内が言った。ドラゴンボールって、ロマンありますよね。七つ揃わないと。揃っても一年に一回しか使
二十二の秋、二次会の席だった。小林恵那の鞄を引き寄せた先輩に、会計の紙を持った山内が、いつもと同じ丁寧語で言った。顔が赤かった。声は大きくなかった。
恵那の部屋のノートパソコンには、名前も付けていない仕組みがある。言葉を点にして並べ、近い順に返すだけ。それなのに、人が次に何をするかはかなりよく出た。「誰にも言わないでね」と頼めば、言わない相手ができる。恵那には、そういう順番が先に見える。
その夜、恵那は画面に話しかけた。「ねえ。これって、好きってことなのかな」。声は返ってこなかった。四十秒たって、切れた。
十一月の終わり、封筒の箱を開けながら山内が言った。ドラゴンボールって、ロマンありますよね。七つ揃わないと。揃っても一年に一回しか使
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