概要
「簡単」なら、次の一品を作っていただけますか。
三十八度の熱がある朝、奈緒の夫は「料理くらい簡単だろ」と、予定どおり友人を招いた。買い出しも料理も妻任せ。それでも客の前では、自分がもてなし好きなのだと笑う。奈緒の椅子は寝室に片付けられ、食事は台所の冷めた小皿だけ。いつもどおり言葉をのみ込む奈緒を、遅れて来た友人の妻が見ていた。にこやかに席についた彼女は、夫の言葉を借りて、一つずつ質問を始める。
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