概要
用件はありません。声が聞きたくて、三年かけました。
コールセンター勤務三年目の雨宮詩織は、どんな怒鳴り声にも同じ温度で応える「聞くプロ」。ただし仕事を離れると口は悪く、怒りたいときほど笑ってしまう悪い癖がある。
そんな彼女の窓口には、週に二、三度かけてくる常連客がいる。最初は苦情だったはずが、今では用件もなく「声、聞きたくなっちゃって」。名前も顔も知らない、声だけの人。
──のはずが、気乗りしない合コンの向かいの席に、その声の主が座っていた。
桐生誠一朗。物腰は丁寧、なのに自販機にお札を入れられず、定食屋にスーツで現れ、スーパーのポイントカードに本気で感心する。しかも通りすがりの黒い車からは「ぼっちゃ」と呼ばれかけて……この人、いったい何者?
謎がひとつ増えるたび、会う約束もひとつ増えていく。
業務用の声しか出せなかった彼女が、自分の
そんな彼女の窓口には、週に二、三度かけてくる常連客がいる。最初は苦情だったはずが、今では用件もなく「声、聞きたくなっちゃって」。名前も顔も知らない、声だけの人。
──のはずが、気乗りしない合コンの向かいの席に、その声の主が座っていた。
桐生誠一朗。物腰は丁寧、なのに自販機にお札を入れられず、定食屋にスーツで現れ、スーパーのポイントカードに本気で感心する。しかも通りすがりの黒い車からは「ぼっちゃ」と呼ばれかけて……この人、いったい何者?
謎がひとつ増えるたび、会う約束もひとつ増えていく。
業務用の声しか出せなかった彼女が、自分の
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?