概要
あの人は、私の帆を褒めたことがない。
港町で帆を縫うミナは、商会から注文された仕事用の帆を返品されてしまう。
理由は、継ぎはぎで見栄えが悪いから。
限られた予算の中で、傷みやすい場所には新しい帆布を、負担の少ない場所には再利用できる帆布を選んだ。船の寸法にも、注文された用途にも合わせてある。
それなのに、完成した帆を見た商会の担当者は言った。
「これでは商会の船だと胸を張れない」
そんなミナの工房に現れたのは、港の水先案内人カイ。
三年前、ミナの帆の欠点を容赦なく指摘した男だった。
彼は返品された帆を見て、意外なことを言う。
「これを俺の船に合わせて直してほしい。代金は払う」
同情なのか。それとも、本当に必要なのか。
港の新しい連絡便を決める試験航海まで、あと六日。
帆を縫い直す二人の間には、仕事だけでは片
理由は、継ぎはぎで見栄えが悪いから。
限られた予算の中で、傷みやすい場所には新しい帆布を、負担の少ない場所には再利用できる帆布を選んだ。船の寸法にも、注文された用途にも合わせてある。
それなのに、完成した帆を見た商会の担当者は言った。
「これでは商会の船だと胸を張れない」
そんなミナの工房に現れたのは、港の水先案内人カイ。
三年前、ミナの帆の欠点を容赦なく指摘した男だった。
彼は返品された帆を見て、意外なことを言う。
「これを俺の船に合わせて直してほしい。代金は払う」
同情なのか。それとも、本当に必要なのか。
港の新しい連絡便を決める試験航海まで、あと六日。
帆を縫い直す二人の間には、仕事だけでは片
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