概要
その集落は、消えたのではない。忘れることにされた。
昭和五十三年、地方新聞の片隅に奇妙な記事が残されていた。
『山間部の集落で住民不明』
家屋は残されていた。
囲炉裏には灰があり、湯飲みも食卓に置かれたまま。
しかし、そこに暮らしていたはずの人々だけが消えていた。
集落の名は「朽葉」。
現在の地図に、その名はない。
郷土誌にも、古地図にも、公的な記録にも残されていない。
わずかに残された新聞記事。
一枚の白黒写真。
語ることを拒む老人たち。
途中で途切れた子どもの歌。
調査を進めるほど、朽葉という集落は奇妙な輪郭を現し始める。
なぜ、人々は消えたのか。
なぜ、記録まで失われたのか。
そしてなぜ、朽葉を知る者たちは口を揃えるように、その名を忘れようとするのか。
これは、存在しない集落を追った十二日間の調査記録である。
『山間部の集落で住民不明』
家屋は残されていた。
囲炉裏には灰があり、湯飲みも食卓に置かれたまま。
しかし、そこに暮らしていたはずの人々だけが消えていた。
集落の名は「朽葉」。
現在の地図に、その名はない。
郷土誌にも、古地図にも、公的な記録にも残されていない。
わずかに残された新聞記事。
一枚の白黒写真。
語ることを拒む老人たち。
途中で途切れた子どもの歌。
調査を進めるほど、朽葉という集落は奇妙な輪郭を現し始める。
なぜ、人々は消えたのか。
なぜ、記録まで失われたのか。
そしてなぜ、朽葉を知る者たちは口を揃えるように、その名を忘れようとするのか。
これは、存在しない集落を追った十二日間の調査記録である。
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