概要
ずっと知っていた。なのに今夜、初めて知らない君を見た。
「そういえば、ここの七不思議って知ってる?」
忘れた数学のノートを取りに、夕暮れの学校へ戻った俺は、幼馴染の佐伯真帆と出会った。
最近は、一緒に帰ることもなくなっていた俺たち。
それなのに真帆の一言から、夜の校舎を二人で巡ることになる。
勝手に鳴るピアノ。
誰かが映る鏡。
名前を呼ぶ旧図書室。
怪異を探して歩くうちに、昔よく寄った公園のこと、ブランコのこと、何でもなかった帰り道のことを少しずつ思い出していく。
七つ目の怪異は、見つからなかった。
けれど、その夜。
ずっと知っていたはずの幼馴染が、初めて少しだけ、知らない女の子に見えた。
法律も、幕末も、めんどくさいことも一切なし。
夏の終わりの一夜を描く、七不思議と幼馴染の青春短編。
応援いただきまして感謝申し上げます。
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