概要
旧校舎の亡霊は甘い匂いとともに
県立春日部城南高校の旧校舎で、撤去されたはずのピアノの音が夕暮れに鳴り響く。5年前、後夜祭の夜、屋上から転落死したピアノの少女 森さつき。その未完成の曲を「知ってしまった」女子生徒が、2026年4月から6月にかけて3人続けて姿を消す。現場に残るのは、クチナシを思わせる甘い匂いと、録音に混入した「つづきを、弾いて」という声だけ。用務員 藤堂は匂いだけを偽装したと語るが、音の出所は誰にも再現できない。放送部の立花香は謎を追って旧校舎に入り、7月1日の録音を最後に消息を絶つ。ピアノはどこにもないのに、最後まで弾かれ続ける。この記録は、まだ呼ばれていない誰かに宛てられている。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!記録をたどるほど、沈黙が近づいてくる。
旧校舎から、もうそこにはないはずのピアノの音が聞こえる。夕暮れに漂うんは、クチナシを思わせる甘い匂い。女子生徒の失踪が相次ぐ高校で、放送部の立花香が、その謎を記録から追っていくんよ。
『クチナシ』は、新聞記事、SNSの投稿、日記、聞き取りや録音の書き起こしをたどって読むホラーやね。一つずつ資料を確かめていくうちに、別々やった言葉や出来事がつながり始める。けれど、そのつながりが見えても、安心できるとは限らへんのよ。
ウチは、活字を読んでるだけやのに、音のする方へ耳を澄ませたくなる感覚が印象に残ったわ。淡々とした記録の合間へ、ためらいや小さな違和感が挟まってる。語られへんかったことまで拾いな…続きを読む