読者諸兄
これを読んでくださっている皆様
この書き込みは自分語りが九割を占めてます。
また、自分が書いている作品「魔法少女ストロベリアの苦悩」の深刻なネタバレがあります。
それが嫌って人は、もっと楽しいものを見に行きましょう。
OK?
プロットとは、ぶっ壊すために存在するのだ!
……なんて思ったことは一度もありませんが、執筆段階でいつも崩れてしまいます。
人生経験が浅すぎるせいかな? そんなゲー魔ー道師が、活動報告をお届けします。
さて。
今回はストロベリア・プロット製作秘話ということで、物語のネタバレを滅茶苦茶します。
結末まで話しちゃいます。
まあ、ゲー魔ー導師の活動報告を読んでる人は皆読んでるか。結末まで読んだから、これも読んでくれてるんだよね?
感謝。
というわけで、次の一文を越えたらネタバレ祭り開幕です。
撤退してない未読者様はいませんね?
1.王道っぽい魔法少女プロット
魔法少女! 恋! 王道!
そんな作品を書きたい! でも、ただ普通に終わるのは味気ない!
こういった我儘な発想から、初稿が生まれます。
本編でもチョロっと話したのですが、小堂苺ちゃんは死ぬ予定でした。
叶う願望ほど、ご都合主義な展開は無い。
叶わない恋ほど、嫌気の差す現実は無い。
だから苺ちゃんには、いい感じに恋を叶えてもらいました。そして文字通り、死ぬほど頑張ってもらいました。
生き甲斐のために頑張ってるのに、死んだら意味ないね。HAHAHA。
この時点で、登場人物は五人でした。
小堂苺。
小堂咲榴。
篠崎奏揮。
隊長。
そしてハーティ。
「あれ?」と思ったそこの貴方。その疑問は正しい。
それでは次のプロットに進みましょう。
2.もっと残酷な最期を遂げた~い!
「1.王道っぽい魔法少女プロット」では、苺ちゃんが暴走して世界をぶっ壊すエンドでした。
でも、なんかこう、物足りない。
苺ちゃんにはもっと、絶望と無力感に叩きのめされるような最期を用意したかったんです。
そんなわけで、奏揮くんは苺ちゃんのパートナーになりました。暴走した苺ちゃんの介錯をするためです。
奏揮くんはパートナーになっちゃったので、新たに恋人が必要です。
苺ちゃんを裏切るような、でもイケてる一面もある、いい感じにクズの恋人を。
それが紅守優利くんです。
恋人を奪われ、願望を果たせず、最期は信頼していた彼に幕を下ろされる。
きっと苺ちゃんは、心にどす黒い感情を抱えながら霧散したことでしょう。
イイネ!
3.王道っぽさが足りねえな……
「2.もっと残酷な最期を遂げた~い!」を実際に肉付けすること数時間。
あれ? なんか微妙じゃね?
そんな感想が、冷や汗と共に流れます。
それもそのはず。
今の自分には、明らかに王道っぽさが足りませんでした。
なぜ王道は王道足り得るのか。いろいろ理由はありますが、その根本は「面白いから」です。
恋愛が叶うのを見ると、人は幸せな気持ちになります。
恋叶わずとも、そこまでの過程にある成長は人を惹き付けます。
つまりね?
恋愛を描くなら、実らせるか生き残るか。どっちかの条件を満たしていたほうが、絶対面白い物語になるんです。
たまに例外もあるけどね。アレは作者の構想が化物レベルに天才なだけだから。
俺は天才じゃないから。シクシク。
というわけで、終盤の展開が大きく変わります。
まず、優利くんのクズ度を下げました。苺ちゃんとラブを築き上げてもらいます。
次に、終盤で優利くんが死にます。戦ってる苺ちゃんを庇って、命を落とすのです。
そして苺ちゃんは絶望します。恋人すら満足に守れない自分に。
最後に、奏揮くんが苺ちゃんを迎えに行きます。まだ自分が残ってるよ、と。
失ったものは仕方ない。
今あるものまで、失うわけにはいかない。
そんな覚悟を持って、苺ちゃんは帰ってくるのでした。
おしまい! ハッピーエンド!
3.5.奏ちゃん
ここで一つ余談。
実は奏揮くん、この段階までは女の子でした。名前も奏揮(そうき)ではなく奏(かなで)だったのです。
なので「3.王道っぽさが足りねえな……」プロットの最後では、百合カップルが爆誕する想定だったんですよね。
奏ちゃん最高だな。
でも色々あって、奏ちゃんは男の子になりました。つまり、優利くんから苺ちゃんを寝取るような形になったのです。
奏揮くん最低だな。
4.主人公と相棒は、ピュアであってほしい
さて。
肉付けした結果かなりマシになりましたが、一つ問題が生じます。
もちろん奏揮くんが悪い男っぽくなるのもですが、近しい問題がもう一つ。
なんか……苺ちゃん、彼氏を乗り換えてる感じになってない?
前の彼氏は死んだから、次は相棒と付き合う……すごく尻が軽い感じになってない?
主人公がそれでいいのか?
疑念は確信に変わります。苺ちゃんが作者に向かって
「私そんな軽い女じゃないわよ!」
って叫んでいるのが容易に想像できました。
でも苺ちゃん、重い女って言ったらヘコむじゃ(槍が身体を貫く音)
というわけで、優利くんのクズ度を戻しました。乗り換えられても仕方ないよね、と思えるくらいに。
あとラストシーンも変えました。自己犠牲で退場されちゃうと、なんか「良い奴」感が出ちゃいますからね。
それから、奏揮くんとのシーンを大きく増やしました。
これにて完成……と思いきや、まだ少しだけ続きます。
5.小堂苺の結末
不器用なりに紡いだ、一本のプロット。
「4.主人公と相棒は、ピュアであってほしい」を元に書いた物語は、自分にしては良い出来でした。
ただ、最後まで決まらなかった事項が一つだけありました。苺ちゃんと奏揮くんの結末です。
二人の運命は一蓮托生、というところまでは決めていたのです。
恋の続きは、最期か未来か。
うーん、どっちも書いちゃえ!
なんて適当かつ欲望にまみれた決断を下して、私は指を走らせました。
その結果がアレです。
良かったのやら悪かったのやら。
これが、ストロベリアの全容です。
長い。
自分語りだから俺は楽だけど、読んでる側が疲れちゃうわ。
ここまで付き合ってくれてありがとうね。
苺ちゃんが苦悩してる裏方で、俺もウンウン唸ってたんだよ。その光景を少しでも思い浮かべてもらえたなら、自分は満足です。
というわけで。
「ストロベリア・プロット製作秘話 ~かつて、それは百合だった~」完結。
製作秘話は他にもいっぱいあるので、また書き込むかもしれませんね?
以上です。
これからもよろしくお願いします。
紅守優利くんのモデルは、実は俺だったりする。
ゲー魔ー道師