五月の中ごろに『ピーチ+1』を書き終えて2週間。変なロスが来ています。すなわち喪失感。
どうも書き手のぼくは、なんかずっとあの世界にいたかったようで、書き終えたはずの原稿を読み返し、ホテル火災のシーンとか、爆弾解体のシーンとか、狙撃のシーンとか読み返して、ちょこちょこ書き直したりしていました。
が、これではいかんと思い、やはりここは新しい小説を書くしかないと結論を出し、いま新作の設定に着手してドツボにハマり、同時にプロットにも手を出して、あげくの果てに戦闘機の名前を考えるのに丸1日費やしたりしています。
急ぎ働きで、急ぎに急げば、カドカワBOOKSのファンタジー長編コンテストに間に合うかもしれません。無理する必要もないんですが。
そんなこんなで新作の設定とプロットを同時進行で進めています。普通設定とプロットは同時に作らない物なんですが、健在のぼくは以前とは全然ちがう物語の作り方をしているので、同時進行です。
きのう、剣術の稽古に行きまして、刀剣のプロの方が作った木刀をもらいました。
ぼくが普段使っている木刀は、市販の剣術用木刀を自分で削って形を整えた物なのですが、木刀を削るのって難しいんです。プロの方が作った木刀は角材からの削りだしなんですが、まさに名刀といえるレベルです。
弘法筆を選ばずといいまして、ある程度ダメな木刀でもちゃんと遣えないといけないのですが、ぼくの鈍刀とプロの方の名刀では、やはり性能が違う。
ぼくは殆どの太刀筋を鈍刀でも出せるのですが、大上段から真っ直ぐ斬り下ろす太刀筋と下段の廻剣は難しいですよ。でも、頂いた名刀だと、両方とも綺麗に決まるんですね。
やはりプロの方は、凄いです。
鏡を見ないで大上段にとって、拳から切っ先までを身体の中心線上で垂直に屹立させる。ここまでは鈍刀でも可能です。ただ、ここからまっすぐ、切り下ろすのは、ぼくの実力では、名刀でないと難しい。
この真っ直ぐの精度は、理想を言うなら2.5ミリ以下です。
日本刀の厚みはだいたい5ミリ程度なので、その半分以下の精度でまっすぐ斬り下ろせないと、まっすぐ同士の斬りあいで負けてしまいます。
また、下段の廻剣も難しいです。
下段に取った拳を敵が斬ってくるところを、廻剣で抜いて切り返し、敵の拳を上から斬るのですが、一拍子でその場踏みかえで廻さないと拳を斬られてしまいます。が、これが難しい。
しかも、綺麗に一重身下段に切り下ろしす筋がまず出ない。廻した木刀が顔に当たることすらあります。
が、名刀だと綺麗にできるんですよ。
いやー、腕が良ければ、どちらも駄目な木刀でもできるんだろうけど……。
しばらく名刀を有り難く使わせていただいて、修行させていただきます。
写真は、歩いていてふと見上げたら下弦の月だったので撮影したのですが、最近のカメラにはちゃんと月が丸く映るんですね。凄い性能だ。
