「1200の功徳を積んで花神として天界に戻った主ですが、伴侶の精霊と毎日いちゃいちゃしていて困っています。」
番外編⑤蒼藍の悩みの種
ある日、紅藍の提案で四人で下界に遊びに行くことになった。そこは、前に任務で訪れた市井で――――。
番外編、最新話更新です。
イチャイチャ度高めなので、苦手な方は注意です(笑)
https://kakuyomu.jp/works/16817330656395003480/episodes/16817330657636521867蒼藍のAIイメージ画像。
前に公開したものと同じです。
【 〜ショートストーリーをどうぞ〜 】
珍しく紅藍が、うたた寝をしていた。
「大人しいと思ったら、こんなところで寝ていたんですね、」
森の中の光が射す場所で、木に寄りかかって眠っている紅藍は、いつも以上に美しく見えた。
その燃えるような、赤く美しい髪も。
誰よりも目立つ、真紅の衣裳も。
任務が立て続けに入り、さすがの彼も疲れたのだろう。蒼藍は静かにその横に腰を下ろす。
ちょうどその時、こてん、と紅藍の頭が肩にもたれてきて、それがなんだか愛しく想い、思わず口元が緩む。
人前では女人の姿を模した分身になる彼が、今はそれをしていない。
ふたりだけの時は、いつもそうだった。
「ここにいますから、ゆっくり休んでください、」
いつも全力で頑張る彼は、頑張りすぎるところがあった。性格なのだろうが、せめて自分といる時だけは、こんな風に頼って欲しいと思う。
そ、と頬に触れ、蒼藍は目を細める。
「君が静かだと、私は、」
言いかけて、止める。
木々の隙間から零れる光に目が眩む。
同じくらい、君は眩しくて綺麗だった。
君が静かだと、私は困る。
だって、いつもまともに直視できない君を、ずっと見つめてしまうから――――。
〜 おしまい 〜