ー4月。といっても、クラス替えもなく、同じメンバーで学年が1つ上がっただけ。また、クラスメイトをぼんやりイジメて終わる、1年が始まる。憂鬱だ。
しかし、桜の木に向かって歩く私の横で、少女が言った。
「今年の目標は、悪口言うのを辞めること。」
「無理じゃない?」
「でも決めたの。」
少女がキッパリ言った。
「じゃあ私も頑張ろ。」
落ちてきた桜の花びらを掴む。
少し、これから始まる1年が楽しみになった。
この少女は、私がはじめて出会った、実在するヒーローの話。
そして魔法少年☆クラリネットガールのヒロイン、ココノちゃんのモデルになった、作者の友だち。
小学生の時の作者は、ちょっとひねくれてた。綺麗事を吐くのが、かっこ悪いと思ってた。
でも違う。言葉にして、信じないと、本当に何も出来ない。希望を持って、目指したら、少しくらいは実現できるかも。綺麗事を吐くことは、かっこ悪いことじゃない。叶えられないからって諦めて、夢も語れないなんて、惨めなだけ。
そう考えさせてくれる友だちがいたから、今の私がいて、この物語がある。
ありがとう。私の友だち、読者様。夢見がちは、悪いことじゃない。希望を忘れないで。手放さないで。
それが伝わったら、嬉しいです。
伝わらなくても、私の物語で誰かの何かが変わったのなら、どんな些細なことだとしても、満足です。