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《振り返り》カゴシリーズのこれまでのあらすじ

カゴシリーズ「長夏」第三部公開にむけての振り返り記事その1です。
お忙しい方、シリーズ内でメインで採用されているポエム調の文体が肌に合わない方などに向けたこれまでのあらすじ。サイト(pixivFANBOX)上で掲載しているものも同じ内容になります。

本編読むよって方はこちらから。
コレクション「カゴシリーズ - in your cage」
https://kakuyomu.jp/users/yutackt/collections/16816452219920418589



■ ここまでの物語

1. 詩編連作「あなたのカゴの中で」
 13才の少女・七花は学校に行かず毎日自室でひとりで過ごしていた。
 ある日目覚めると見知らぬ青い髪の少年・果楽がいて、彼女は彼と過ごす時間をかけがえなく感じるようになる。
 しかし果楽の正体は七花の弟が捕らえてきた渡り蝶だった。
 一度は七花の元を去る果楽だったが、最期は彼女のために散ることを選ぶ。
 果楽を喪った七花は小さな自分の世界から一歩踏み出していく。(第一部「あなたのカゴの中で」)

 16才になった七花が出会ったのは宿り蜂に寄生された蛹と、果楽によく似た少年だった。少年の名前も夏羅といい、七花に親しく接する。
 この正体は宿り蜂で、やがて七花を気に入った夏羅は七花の持つ果楽との思い出を消そうとするが、七花が拒んだときにふいに虫籠が壊れてしまい、羽化を目前にしていた宿り蜂は死んでしまう。
 ひとがたを取っていた夏羅の魂も遅れて消えてしまい、その死を悼むなかで七花は自分の世界がなお閉鎖的だったことに気づく。(第二部「わたしはオリの中で」)

 その少し前のこと。七花の弟の勇は七花に特別な感情を抱いており、それを拭えないまま日々を過ごしていた。
 ある日自室に見知らぬ黒髪の少女・切菜がいて、彼女は自分が勇に育てられている蝶の幼虫だと自称する。しばらくともに過ごす二人だったが切菜は宿り蜂に寄生されてしまい、彼女の蛹化とともにその生活も終わってしまった。
 自分を責めるも七花に求められて寄生された蛹を譲り、勇は七花への想いが報われないことを知りながら、それでも彼女を守っていくことを心に決める。(第三部「あなたはユメの中で」)


2. 詩編連作「sinfonia」
 死後の世界で目覚めた果楽は選択を与えられていた。
 生まれ変わって七花に会うことを選んだ彼は、しかし彼女のもとにたどり着かないまま次の生を終えてしまった。
 その後悔の念が七花の部屋に姿を現し、勇と出会う。
 勇の導きで果楽は還るべき場所を思い出し、次の生へと向かう。(第一部「篭結い」)

 また、死後の世界で目覚めた夏羅は選択を与えられていた。
 宿主だった切菜とともに穏やかなときを過ごしながら、記憶を持ったまま生まれ変わる機会を使うのか否か考える。
 生まれ変わる選択をした切菜、最後の生を迷い続けている輪の下の人物。二人と言葉を交わす中で、彼が気づいたことはあの愛しい記憶のことを手放したくないということだった。(第二部「夢織り」)

 そのころ、七花は一面の藤袴の咲き乱れる夢を見る。不確かな記憶に揺れながら、梅雨空のもとでひとつの予感を抱いていた。
 愛しい彼らに会える予感を。(第三部「ななくさ」)


3. 短編連作「長夏」
 果楽、夏羅、切菜はそれぞれ朱い輪廻の環をくぐり、帰るべき場所を探す。切菜は勇を、夏羅は逸れた切菜を、そして果楽は七花を。
 そうして彼らは一つの家につどう。(第一部「つどい」)

 ともに生活を送るようになった彼らだが、互いに思うところもあった。勇は果楽には心を許したが、夏羅にはそうではない。夏羅は七花とは折り合いがついたが、果楽とはそうではない。
 不器用に感情を確かめ合い、少しずつ距離感を変えながら、改めて自分の想いを整理していく。そうして少しずつ大切になっていく夏の日々も、もうすぐ終わろうとしている。(第二部「ひるなか」)


■ 余談

そもそもポエム調云々以前に擬人三部(とくにカゴ中)は痛々しくて読めない人もいるかもしれないんですが、それもそのはずで、この作品は中学一年生のときに書いたものを何度か手直ししたマイナーリメイク作品です。
フルリメイクを考えた時期もあったと思うんですが、あのころの感性と情緒をそのまま閉じ込めておきたくてほぼ原型のまま、後続作品のオリとユメも初版よりはカゴに寄せた形でリメイクしました。その後も「詩風小説」と銘打って詩作パートが入るのはそれがカゴシリーズの本来のすがただと思っているためです。
私自身の成長とともに読んでいただける作品だと思うので、時の流れとか人の成長とか、あと人の黒歴史を覗くのが好きな方とか(笑)はそういう楽しみ方もぜひ。
ぜんぜんそれでは楽しめない方向けにあらすじを置いておくことに決めたので、長夏はちょっと興味あるけどそれより前の話がにがてだな、って方は読めなくてもまったく構いません。ほんとにポエム調が苦手で長夏の第一部ですら読めないけど話の大筋は楽しんでいただけたりとか、そういうのでも十分嬉しいです。あなたに合ったカゴシリーズを楽しんでいただければ幸いです。

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