ゆりえる

橙山幼稚園に通う須川真佑は、体操服から幼稚園の制服に着替える時に、自分の机に乗っていた服に着替えると、それは萬羽吉祥のものだった。 名札も見ずに、そのまま着替えると、先生達も気付…

スーパー店員の穴井真知子は、約1年ぶりで春の制服のスカートを履いた。 見た目はそう変わりないようでも、冬はあまり行動せずゴロゴロしていたツケが、お腹周りに現れた。 何とかしようと…

　20XX年、変異するコロロウィルスとワクチンのイタチごっこは、未来も続いていた。 　人々は大きく二つに分かれていた。 　治験中だが副反応時の保障が有るワクチン肯定派と、ウィルス…

天根ニアの母親、ミヤ子は聖母マリア様のように優しいと聖天使幼稚園の園児達からは大評判。 それを聞き付けた園児の母達の多数が、ミヤ子の粗探しを目的に接近し、ママ友を申し出た。

飼う前までは、上手くいく気満々でいても、いざ飼ってからは、想定外ばかりで捨てられてしまうペット達。 そんな可哀想な命を少しでも減らそうと相性の良いペットに巡り合えるようにお手伝い…

都会での仕事に疲れて、ふと祖母の住む田舎に足を運び、転寝をしていると、夢か現か、幼い頃の思い出が蘇った。 それは、現実世界に重なっている、もう1つの透明感の有る世界。 誰かに話し…

地球の生態系のピラミッドの頂点に君臨していたはずの人類。ところが、それは思い違いだった。

М９.２の大地震が襲い、ほぼ全壊や半壊の建物の中で唯一崩れずに残った公民館に、町中の皆が所狭しと集まっていた。 日中も不便では有るが、月明かりさえも射し込まない夜は、何も見えず人…

雷の轟音で驚く人々。 こんな自然音ですら、畏敬の念を抱くこの国の民達。 紛争の絶えない祖国を離れ、日本に住み始めて半年経過しても、凄まじい轟音を伴った惨い記憶は頭から離れない。

毎度のように、母さんとは、絶えず口喧嘩を繰り返えしていた。 それは、僕にとって、今までの日常だったが、ある日、突然、その日常が奪われた。 登校する時には、あんなに元気だったのに.…

　22世紀、公害とウイルス蔓延と少子化が今よりずっと進んだ未来。 公害や幾多のウイルスが蔓延している状態でも病まず健康でいられるの子供が生まれるよう、結婚相手は遺伝子情報を元に選…

1人1人の魂は、生まれてくる前に、3Dパズルのような構造で、自分達が亡くなる時点の姿を設定している。 　主に、老年の姿が多いのだが......

避けられない遺伝という名の贈り物。

長年の伴侶である奥方様を失って以来、御主人様は退屈しのぎのつもりなのか、執事、庭師、調理人、メイド達に謎解きを課し、正解者には報奨金10万円を与えるようになった。 正解者は報奨金…

硫黄の香りが疲れを癒す、ヒマラヤブラック岩塩を入れた入浴時間。 その時に湯船に浮かんでいた小さな虫の死骸。 これは、岩塩の中から出て来たのか、精製時に紛れ込んだのか？

ウイルスの蔓延によって、世界中から嘆きの声だけが響き渡った。そんな世の中に終止符を打とうとして立ち上がった人々がいた。

この世に誕生出来ずに逝ってしまった、お腹の中の小さな生命の言葉です。

たった1人の肉親である父が亡くなった。葬儀中、自分にとっては懐かしい女性が現れたが、祖母が暴言を投げ付けた。

吸血鬼と人間のハーフが、吸血鬼として生きる場合は１８歳になるまでに、血の味を覚えなくてはならなかった。 母は、物心ついた時には亡くなっていて、父からの情報しか聞かずに育ったニアナ…

旧正月も済み、混んでいる時期を避け、正装して神社に1人向かう目的は、初詣でも神頼みでも無かった。

久しぶりの休日でゆっくり寝過ごしていると、自分の寝ているうちに、地球に大異変が起きていた。自分も周りも後、10時間足らずの命だと分かった時、自分が取った行動は......

下界の事など全く知らない天使達が、今日も、お花畑で戯れると......

昔より飛躍的に寿命が延び、今や世界的にもトップレベルの長寿国となった日本。 長寿国ゆえに、日常茶飯事的に目を覆いたくなるような事件が家族内でも後を絶たない現状。 その都度、願わず…

ウィルスなどによる不況で、客足の遠退いたペットショップ。 店内のペット達の顔触れは、1年近く変化無い。 このままでは、ペットもろとも店員も共倒れ。 そこで、思い付いたのが、オンラ…

雨と雪を操作する小人たち。 ふたりの軽快な仕事ぶりを感じ取って頂けたら嬉しいです。

修学旅行の雑魚寝部屋にて。 期待と慣れない緊張感のせいか、空気がお腹を活発に移動中。 困ったな......