「二人の世界」完結しましたね。いかがだったでしょうか。楽しんでくれたなら幸いです。
僕はあとがきとかセルフライナーノーツとか、作者が作品を振り返る、みたいなやつが好きです。好きなった作品なら特に。
だから自分の拙作に関してもあとがきを書こうかなと前々から決めていました。「二人の世界」を好きになってくれた方々に向けて、振り返ってみようと思います。
とはいえ、こういう作者の振り返りはある種、メタフィクショナルに近い要素があるので、嫌いな方はプラウザバックしてくださると助かります。
ではでは。
この作品、「二人の世界」はもともと、いろんなシチュエーションの百合置き場を作ろうとして、その第一話目が膨らんだものです。当初、演劇部の百合っプルが演技力でいろんなプレイに興じる、というテーマのもと僕の好きなシチュを書き散らそうと思っていました。いわば、劇中劇のような作品群になる予定だったわけですね。
で、力関係があって、でも好き、っていいなーと思ってその作品の第一話目に据えよう、と喜び勇んで書いてみたところ、思ったより劇中の二人に愛着が芽生えまして。この二人、この先どうなるのかな、と興味が湧き、よし書いてみよう、となって「二人の世界」という長編にしてみました。中編でも良かったのですが、僕が思った以上に加奈と風香が好きだったようで、結構書いてしまいました。
ただ、そんな行き当たりばったりで筆を進めたため、次どうしよう、ってことが多々ありまして。おっかなびっくり、恐る恐る、こいつらどう動かしゃいいんじゃーとあぐねていたわけですけれど、結果的に言えば、まあ、自分の好きな通りに書いたわけですね。つまり、萌えるように書いたわけです。
そしたらとんだカップルになりましたね。険悪なのかそうでないのか、お互いがお互いを好きなくせに、一歩踏み出せない、お前ら中学生ですかコノヤローと言った感じで、付き合ってるのに両片想いなカップルになりました。そんな子に育てた覚えはありませんが、きっと彼女らも育てられた覚えなんてないのでしょう。
そしてまさか十年越しの恋愛になろうとは…。
第一話を執筆していたときには予想もしていませんでした。
力関係の百合が、まさか社会人百合に帰着しようとは、作者はびっくりでございます。
まあでも、何はともあれ、ハッピーエンドになって良かったと思います。途中結構危なかったですよね。風香がやや狂気だったり、加奈が煮え切らなかったりで、これバッドエンドじゃね? と軽く心配してました。
二人にはぜひ幸せになってほしいと思います。
さてさて。ここまであとがきを書いていて、あたかも劇中の二人のおかげで物語が進んで、無事完結を見た、というような言い回しになってしまいましたが、決してそれだけではありません。
手柄と言うなら、読んでくださった皆様のおかげだと、作者は思います。
漫画や小説のあとがきに同じようなことが載っていると、こんな綺麗ごと言われたって興が冷めるだけじゃーとついこの間まで僕も思っていましたが、そうでもないと最近思いました。
やっぱり読んでもらえていると解ったら嬉しいものです。まえがきにも書きましたけれど、エンジンがかかるかのように筆が進んで、彼女たちは生を受けました。
言い換えると、誰も読んでいない物語に命は宿らないのです。
だから、彼女たちがこうして生きながらえ、物語を全うし、きっとこの先も生き続けられるのは、ひとえに読んでくださった方々、評価をして下さった方々、レビューを書いてくださった方々、応援してくださった方々のおかげなのです。
あとはまあ、やはり文字に起こさなければ始まらないのでの僕のおかげでもあります。手柄は山分けということで、ここは一つ。
このあたりで言いたいことは全部出したのであとがきを終わりたいと思います。
読んでくださった方々、評価を付けてくださった方々、レビューを書いてくださった方々、応援してくださった方々、励みになりましたありがとうございます。
あとは、カクヨム運営さま、この環境を作ってくれた家族、自分にも謝辞を述べて、あとがきとします。
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。次回作でまたお目にかかれれば、と思います。
追伸
「二人の世界」ここで完全に終わりみたいに言っていますけれど、近々短編百合置き場、みたいなものを作ろうと思っていて、そこに番外編を載せようと思っている次第です。良ければそちらもいいかがでしょう。散りざまこそ花の命と言いますけれど、「二人の世界」に関して言えば立っても後を濁すタイプの鳥でした。粋じゃないですね。
では、今度こそさようなら。