観測者には容易い。如何だったでしょうか?
はじめまして、横田裕です。
さて、本題へと移る前に、私の名前はちゃんと読めているでしょうか?
人の名前を読み間違える事は、時にトラブルを呼び寄せるものです。
と、まぁ一応、ふりがなを記していたので大丈夫だとは思いますが念のため。
横田裕(おうだ、ゆう)と読みます。
ふりがななんてあったかな?と思われた方は、読み方を頭に入れた上で探してみてくださいね。すぐにわかりますよ。
さて、前置きはこのくらいにしておいて。
ここからは本題と言う名のネタバレを含む小ネタを一つ。
まだ読んでいない方や、途中までは読んだよという方は、最後まで読んでから見ることをオススメします。
それで、紹介する小ネタは二章にて品里学が藁谷真花から貰ったシールについてです。
蝶蛙と書いて、スーパーカエルと読みますが。これは主人公である品里学の立ち位置を藁谷真花なりに表現したものでした。
蝶は「胡蝶の夢」として、品里学にとってはどちらも現実であり夢でもある事を。
蛙は「井の中の蛙」として、今立っている世界の小ささを表現したものになります。
そして葉山美咲が貰ったのは「ヘビーデビル」でした。
こちらは蛇と悪魔で、わかりやすいですね。
蛇は蛙の天敵です。それから悪魔は人の心に色々と悪さをするものなんです。
故にヘビーデビルは葉山美咲の立ち位置を的確に表現していたわけです。
小ネタは以上となります。
他にも色々とあるのですが、全てを語ってしまえば考察の余地が無くなってしまいますし、読み手の解釈も大切だと思うのでこの辺で。
ただ最後に、今作のタイトル「観測者には容易い」については語ろうと思います。
これは四章の最後で主人公の品里学も口にしています。
「既にお前の考える結末が破綻している事を理解するのは、観測者には容易いだろうな」
この言葉でわかった方が居てくれると嬉しいのですが、観測者とは「この物語を読んでいる人」の事です。
では何故、観測者には容易いのか?
それは他の伏線と同様に、物語の序盤から何度も時刻を記していたからです。
二章の中盤で、品里学が葉山美咲の通う学校を訪れる際にも、移動の所要時間をちゃんと言っていましたしね。
他にも杉村純也の言ったとおりに「富士山」は東京にないですし。ゲームセンターのゲームが十年ほど経っても変わらないのも「観測者」から見ればおかしな点だったりします。
こんな感じで伏線の溢れる今作は、二度目も色々な気付きがあって面白いと思うので、良ければ二回目を読んで楽しんでもらえれば幸いです。
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回作は二年後あたりを予定しています。
2023年追記
次回作の公開予定は未定になりました。