• 現代ファンタジー
  • 異世界ファンタジー

ギガントアーム スズカゼ 第2話 WIP7

「え」

 と一郎が三回まばたきする間に、三つの事が起きた。
 一つ目は、キャプチャーユニットが作り上げた檻の消失。ミスカによる跳躍中バックラー打突破砕。
 二つ目は、ジットが一郎へ杖を振りかざした事。魔法行使の予備動作。
 そして三つめは、三体のグラウカの内無人の二体がバランスを崩した事。胸部への強打によるノックバック。

「ほー」

 トーリスは見ていた。地上。激烈な魔力反応と共に飛び上がったミスカが、まず左手のグラウカへ飛び蹴り。反動をそのままに、今度は右手のグラウカへも飛び蹴り。更にその反動で飛んだミスカは、最後の敵機ことトーリスの眼前へ現れた。

「何も出来ないまま、消えろ」

 ミスカがそんな啖呵を切る少し前。一郎は、ジットに釣り上げられていた。

「またかー!」

 あぐらをかくような姿勢で、一郎は宙に浮いている。彼を束縛しているのは、ジットの杖先端から放たれた光の網。即ち捕縛魔法であり、グラウカのキャプチャーと同じ代物であった。
 これには重力を低減する魔法も含まれているため、ジットでも一郎を軽々と浮かせて運搬できているという訳だ。

「風船になったみたーい!」
「すみません! ですが今はこれしか方法が無かったので!」
「分かるよ! しょうがないよね! てかムチャクチャ足速いねジットくん!」

 一郎の言葉は比喩でも冗談でもない。目算だが、時速四十キロくらいは出ているのではなかろうか。

「いや良く見たら足動いてない!? 軽く浮いてる!? ホバーな上にクラフトしておられる!?」



◆ ◆ ◆


全文のリンクはこちらです
https://kakuyomu.jp/works/16817139556247117561

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する