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ギガントアーム・スズカゼ 第八話 製作途中版⑧

この記事はギガントアーム・スズカゼ第八話の書き上がった最新分を掲載しているものです。
これまでの話は下記リンクから読めます。
https://kakuyomu.jp/works/16817139556247117561

◆ ◆ ◆

 再びスズカゼの映るモニタを見やるトーリス。スズカゼは、またしても新たな召喚武装を装備していた。大きなバインダー状パーツが接続された増加装甲を、両肩に装備していたのだ。
 トーリスが知る由もない事であるが、このバインダーの正式名称はクラスターシールド。表面に魔力のホーミングミサイル射出機構を備えた、大型盾である。それの一斉射撃によって、スズカゼは追撃のパドッサ部隊を一掃したと言う訳だ。そして武装を送還、スズカゼはその場を離脱する。今まで以上のスラスター加速で。

「ああ、成程」

 ここに至り、トーリスは気付く。スズカゼは、あえて自らパドッサに包囲させたのだ。こちらが優勢である、そう判断した直後を見計らい伏兵による砲撃拠点破壊。更にそこへ気を取られた瞬間を捉えた包囲の殲滅、及び逃走。大した計算である。こうなればもはや追いつく事は出来まい。

「ならば、せめて」

 未だ残る砲台、追加出撃するパドッサ第三陣。その全てが狙撃を行ったライトブルーグラウカを捉え。

「残ったヤツは、盛大にもてなしてやらないとなあ」

◆ ◆ ◆

「おお、来た来た」

 グラウカカスタムを操縦しながら、ミスカは呟いた。スズカゼを追っていた先程と違い、明らかに敵意がこちらへ向いている。ジットの読み通り、標的を切り替えたのだ。後は可能な限りの抵抗をしつつ――。

「コイツを使う、か」

 手元のプレートを見下ろすミスカ。ジットから貸与された汎用品のそれには基礎の機能に加え、なんとあの一郎が作成した魔法が幾つかインストールされている。

「だが、まずは大立ち回りを演じねばな」

 撃ち尽くしたラージライフルを切り離し、ミスカはグラウカカスタムを敵陣へと突撃させた。

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