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備忘録4(ライナーノーツ的な 2021年1月)

年も明けた。
今年は、どんな短いものでもいいから必ず月に1本は作品を書くこと目標としようと思う。
というわけで1月の作品メモ。
興味のある人はいないと思うが、あとから自分で「あん時そんなこと考えてたのかー」と思い返すのは割と楽しいものだ。

「朧月夜」
何年か前に、年に5~6回くらい落語を聞きに行っていた時期があり、その時なんとなく原型となるようなものは浮かんでいたと思う。しかしその当時は小説とかで表現することはしてなかったのでそのまま頭の奥に放置されていたのだが、今回は正月ということで古典「ぽい」人情噺として書いてみた。
猫飼いなので、いつか猫が出てくる話を書いてみたいと思っていたのだが、やってみると時代物は大変。短い話だが当時の風習や地名、物の値段など、けっこう調べるのに時間を食って、結局三が日に間に合わず。
そういえば、形になっているものの中では初めての一人称視点ではない作品になってる。


「ディステルの棘」
以前、カクヨムの自主企画で「300文字以内の殺伐百合」というお題で書いた「名残り」という自作の掌編が原作になっている。
短い話なのだが、なんか膨らすことができそうな気がしていたので、12月下旬くらいから書き始めた。元々プロットが出来ていたので年内には出来るかと思ってたら、途中から苦戦しはじめ、予定より倍くらいかかってなんとか形になった。
百合というテーマは作者個人の特性からは最も遠いところにあり(性別とか年代とか)、嘘くさく感じられないようにするのに結構悩んだところ。
一度ひと通り書いた後で、主人公の心境の変化に至る流れが弱いと思い、その追加・修正作業にけっこう時間がかかってしまった。
元々爽やかな話じゃないのだが、ともすると主人公(語り部)が単なる自分勝手な人物になりそうだったので、そのへんの描写には気をつけたつもりだがどこまでうまくいったかは何とも。
タイトルにあるディステルは、ドイツ語でアザミのことで、登場人物の名字に含まれている花の名前は、それぞれのキャラの立ち位置や性格を暗示する花言葉からとっている。


「狼を憐れむ歌」
自主企画「作中の【第四の壁】を越えて、登場キャラクターが読者に語りかけてくる作品」用に書き下ろしたもの。こういうのやったことなかったわー、ということで飛びついた。書き始めて二時間ぐらいで出来たと思う。
タイトルは最初、仮に「固茹で野郎は電気ナマズの夢をみるか」としていたが、始めからギャグだとわかると面白くないかと思い、それっぽいものに差し替えることにした。次の候補として考えたのは「狼逹の挽歌」、「狼逹の鎮魂歌」だったのだか、検索したらユンファ映画で既にあったので、ストーンズの曲から一部借りて現在のタイトルに落ち着く。なぜ狼に拘るかというと、ハードボイルドといえばやっぱりブロンソンでしょ!というオッサン思考に他ならない。
煽りの「この世界は神の手のひらで踊る」も、なんかそれらしいけど意味はない言葉を選んだつもりだったが、作品中の世界の人々は、創造神(作者)と至高神(運営)の手中に握られているんだなあ、と思ったら意外とマッチしてるのかもしれない、と後付けで思った。
本編はもう、ベタベタなハードボイルド展開(しかも、邦訳されたテレビ放映)のノリで書いてみた。
個人的に書いててとても楽しかった作品。

【追跡中】
100文字ホラーというお題に参加させていただいたもの。
コメントでもいただいたが、もう少し練れば良かったかな。

【塹壕都市の狙撃手】
カクヨムweb小説短編賞に出した作品。
賞を取るとか大それたことはもちろん考えてないが、お祭りはやっぱり参加してるほうが楽しいよね、ということでなんとか間に合った。
これ以前にも出そうと思ったものはあったのだが、文字数が合わなかったり、頓挫したりとなかなか出せるものが書けなかった。
戦争モノの形を取りながら、内容的には恋愛モノ。でもヒロインはセリフすらなく、会話も極力少なくするという、自分の力量を顧みない無謀な方向に走った作品かもしれないが、まあ、いいさね。
ベースになってるのは第一次世界大戦ごろの世界で、そこから派生した架空の未来を舞台にしている。
主人公の国はドイツ、敵がフランスをイメージしてはいるが、知識不足を突っ込まれるのがいやなのでそのへんはぼかしにぼかしている。(途中でカットしたが、当初主人公側の都市はグラーベン、敵側の都市はトレンツェという名前が付いていた)
作品として受けるかは解らないが、塹壕都市という世界観は良かったかな。


-その他-
気をつけているつもりなのだが、公開後に誤字脱字を見つけるとヘコむなぁ

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