ここは、死神の世界
死神は一定期間、人間界におり、寿命が尽きそうな人間に寄り添い観察する。
執行か保留かの2択
執行なら、死神が帰った次の日、観察対象の人間は命を落とす。
保留なら、そのまま生き続ける。
そんな仕事を僕はしていた。
でも、僕は、執行に丸をつけることができなかった。
なぜなら、僕には人間界の記憶があるからだ。
僕は交通事故で死んだ。
相手の信号無視が原因だった。
青信号で行こうとしたとき、急に車がやってきて吹っ飛ばされた。
そして、目覚めたらそこに神がいた。
神は言った。
「お前はたくさんの命を奪っている。天国にはいけない。地獄にいくか。死神になるか決めろ。」
僕は決めた。
「死神になります。今までたくさんの命を奪った経験があるので問題ないです。」
「そうか。なら、君には死神界に行ってもらおう。」
という経緯があり、今死神をしている。
だが、僕はどうしても執行に丸をつけることができなかった。
いつも、保留をつけていた。
それが、最悪の事件の幕開けになるなんて思いもよらなかったのだ。